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有害物質と指定物質の違い(水質汚濁防止法)

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水質汚濁防止法の「有害物質」と「指定物質」、名前が似ていてどっちがどっちか混乱しませんか。PCBやPFOSがどちらに入るかも含めて整理します。

この記事の要点

水質汚濁防止法は、規制する物質を役割ごとに分けています。

  • 有害物質=人の健康に被害を生ずるおそれのある物質(28項目)。ふだんから排水基準で規制し、地下への浸透も制限します。
  • 指定物質=有害物質・油以外で、人の健康や生活環境に被害を生ずるおそれのある物質。事故で流れ出たときの措置の対象です。

取り違えに注意。PCBは有害物質PFOS・PFOAは指定物質です。

工場の排水に含まれる物質には、毒性の強いものから、ふだんは問題なくても事故で大量に流れると危ないものまであります。

水質汚濁防止法は、これらを役割で分けて、別々のしくみで管理しています。

その代表が「有害物質」と「指定物質」です。

有害物質とは

有害物質とは、人の健康に被害を生ずるおそれがある物質として、水質汚濁防止法で定められた物質です。

カドミウム、シアン、鉛、六価クロム、ひ素、水銀、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、トリクロロエチレン、ふっ素、ほう素、1,4-ジオキサンなど、28項目が定められています。

有害物質は毒性が強いため、ふだんから規制されます。

具体的には、排出水が排水口で守るべき排水基準健康項目が全国一律に定められ、さらに有害物質を含む水を地下へ浸透させることも制限されます。

指定物質とは

指定物質とは、有害物質と油以外で、人の健康または生活環境に被害を生ずるおそれがある物質として、政令で定められた物質です。

PFOS・PFOA(有機ふっ素化合物)、キシレン、トルエン、ホルムアルデヒド、硫酸などが指定されています。

指定物質は、ふだんの排水基準で常時規制する対象ではありません。

代わりに、事故でこれらを含む水が公共用水域などに流れ出たときに、応急の措置をとり、都道府県知事に届け出る「事故時の措置」の対象になります。

有害物質と指定物質の違い

2つの違いを表にまとめます。

項目 有害物質 指定物質
趣旨 人の健康に被害を生ずるおそれ 有害物質・油以外で、健康・生活環境に被害を生ずるおそれ
規制のしかた ふだんから排水基準で規制/地下浸透も制限 事故で流出したときの措置(応急措置・知事へ届出)
代表例 カドミウム・鉛・ひ素・水銀・PCB・トリクロロエチレン など(28項目) PFOS・PFOA・キシレン・トルエン・ホルムアルデヒド・硫酸 など

同じ「法律で名指しされた物質」でも、ふだんの規制(有害物質)か、事故時の備え(指定物質)かが違う、と整理します。

水質汚濁防止法が定める物質 有害物質(28項目) ふだんから 排水基準で規制・地下浸透制限 例:PCB 指定物質 事故で流出したときの 措置(応急措置・知事へ届出) 例:PFOS・PFOA 同じ「法定の物質」でも、ふだんの規制か事故時の備えかが違う

有害物質はふだんの排水基準で規制、指定物質は事故時の措置の対象。PCBは有害物質、PFOS・PFOAは指定物質と覚える。

過去問での問われ方

有害物質と指定物質は、水質概論で「ある物質がどちらに当たるか」を入れ替えて問う形が定番です。

令和5年度 水質概論 問2では「有害物質でないもの」を選ばせ、PFOSは指定物質であって有害物質ではないのが答えでした(セレン・ふっ素・ほう素・1,4-ジオキサンは有害物質)。

令和4年度 水質概論 問3では「指定物質でないもの」を選ばせ、PCBは有害物質であって指定物質ではないのが答えでした(キシレン・トルエン・ホルムアルデヒド・硫酸は指定物質)。

「PCB=有害物質」「PFOS・PFOA=指定物質」を軸に、代表的な物質がどちらの区分かを押さえておくと、入れ替えの引っかけに対応できます。

まちがえやすいポイント

ある物質がどちらの区分かを入れ替えて問う形が定番です。

PFOSは指定物質であって有害物質ではなく、PCBは有害物質であって指定物質ではない(令和5年度 問2・令和4年度 問3)。代表例をどちらの区分かで覚えます。

理解度チェック

Q.

PFOS及びその塩は、水質汚濁防止法の有害物質か、指定物質か。

答え:指定物質

PFOS・PFOAは指定物質で、有害物質(28項目)には含まれません。令和5年度 水質概論 問2で問われました。

Q.

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、有害物質か、指定物質か。

答え:有害物質

PCBは有害物質で、指定物質ではありません。令和4年度 水質概論 問3で問われました。

Q.

指定物質は、ふだんの排水基準ではなく、主に何の対象となるか。

答え:事故時の措置(応急措置と都道府県知事への届出)

有害物質がふだんから排水基準で規制されるのに対し、指定物質は事故で流出したときの措置の対象です。

まとめ

有害物質と指定物質は、どちらも水質汚濁防止法が名指しする物質ですが、管理のしかたが違います。

有害物質(28項目)はふだんから排水基準で規制し地下浸透も制限、指定物質は事故で流出したときの措置の対象です。

取り違えの定番は、PCB(有害物質)とPFOS・PFOA(指定物質)です。代表例をどちらの区分かで覚えておくと、入れ替えの問題に強くなります。

水質概論の過去問解説 一覧へ

参考

  • 水質汚濁防止法(有害物質・排水基準・地下浸透の制限・事故時の措置)
  • 水質汚濁防止法施行令(有害物質28項目・指定物質)
  • 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験 出題範囲・公式正答
公害防止管理者 独学ノート 編集部

この記事を書いた人

公害防止管理者 独学ノート 編集部

公害防止管理者試験の用語・法令・計算を、環境省の告示や過去問に照らして、独学者の目線で整理しています。

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