令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問21を解説|地盤の内部減衰
令和6年度 騒音・振動特論 問21は、2地点の振動レベルの差から、地盤の内部減衰が何dB/mかを求める計算問題です。最も近い値を選びます。
この問題のポイント
2地点での振動レベルの差は、表面波の幾何減衰と地盤の内部減衰の合計です。まず全体の減衰量から、距離だけで決まる幾何減衰を差し引き、残りを距離で割れば内部減衰が求まります。引っかけの核心は、全体の減衰をそのまま距離で割って内部減衰と勘違いすることです。表面波の幾何減衰は 10・log(r₂/r₁) で、ここでは約6 dBを占めます。これを差し引いてから割ると、内部減衰は約0.2 dB/mとなり、答えは選択肢(2)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 0.1 dB/m。幾何減衰を大きく見積もりすぎると近づきますが、幾何減衰は約6 dBです。 |
| (2) | ○(最も近い) | 0.2 dB/m。全体15 dBから幾何減衰6 dBを引いた9 dBを45 mで割った値で、正しい答えです。 |
| (3) | × | 0.3 dB/m。幾何減衰を差し引く量を少なめにとった場合の値です。 |
| (4) | × | 0.4 dB/m。幾何減衰を無視して全体を距離で割ると近づく値で、これが引っかけです。 |
| (5) | × | 0.5 dB/m。減衰を過大にとった値で、実際の内部減衰はもっと小さくなります。 |
計算の手順(正解の求め方)
全体の減衰量は 75−60=15 dBで、これは距離が 15 m から 60 m に増える間に生じています。このうち幾何減衰は表面波の式 10・log(r₂/r₁)=10・log(60/15)=10・log(4)=約6 dBです。残りが内部減衰による分で、15−6=約9 dB になります。この9 dBは距離差 60−15=45 m の間で生じているので、内部減衰は 9÷45=約0.2 dB/mです。よって選択肢(2)が正解です。幾何減衰を引かずに 15÷45 とすると約0.3〜0.4 dB/mとなり、誤答に誘導されます。
覚え方
- 2地点の減衰=幾何減衰+内部減衰。内部減衰を出すには幾何減衰を先に引く。
- 表面波の幾何減衰は 10・log(r₂/r₁)。距離が4倍で約6 dB。
- 内部減衰(dB/m)=(残りの減衰)÷(距離差)。
理解度チェック
内部減衰を求めるとき、なぜ先に幾何減衰を引くの?
2地点の減衰には距離が広がることで自然に減る幾何減衰が含まれるからです。これを除いた残りが、地盤に吸収される内部減衰です。
距離が15 mから60 mへ4倍のとき、表面波の幾何減衰はいくつ?
10・log(4)=約6 dBです。表面波は 10・log(r₂/r₁) で幾何減衰します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月