令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問20を解説|振動レベルの距離減衰
令和6年度 騒音・振動特論 問20は、機械から2.5 m離れた地点の振動加速度レベルをもとに、レイリー波の距離減衰を考えて敷地境界線での振動レベルを求める計算問題です。最も近い値を選びます。
この問題のポイント
ここでの落とし穴は、与えられた70 dBが振動加速度レベルで、問われているのが感覚補正済みの振動レベルだという違いです。手順は二段構えで、まず表面波(レイリー波)の距離減衰で境界線での振動加速度レベルを求め、次に加振振動数12.5 Hzに対応する鉛直方向の感覚補正を差し引きます。距離減衰は「幾何減衰+内部減衰」、感覚補正は8 Hzより高い側で効いてきます。両方を通すと敷地境界の振動レベルは約55 dBとなり、答えは選択肢(4)です。毎分750回転が加振振動数12.5 Hzを与える点も見落とせません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 49 dB。減衰量を大きく見積もりすぎた値です。 |
| (2) | × | 51 dB。感覚補正を過大にとると近づきますが、12.5 Hzの補正は約4 dBです。 |
| (3) | × | 53 dB。距離減衰と感覚補正のどちらかを少し多めに引いた場合の値です。 |
| (4) | ○(最も近い) | 55 dB。距離減衰後の約59 dBから12.5 Hzの感覚補正約4 dBを引いた値で、正しい手順による答えです。 |
| (5) | × | 57 dB。感覚補正を引き忘れると近い値になり、これが引っかけです。 |
計算の手順(正解の求め方)
まず距離減衰です。表面波の幾何減衰は 10・log(r/r₀)、内部減衰は 8.68・λ・(r−r₀) で表せます。r₀=2.5 m、r=20 m、λ=0.01 /m を入れると、幾何減衰は 10・log(8)=約9.0 dB、内部減衰は 8.68×0.01×17.5=約1.5 dB です。よって境界線での振動加速度レベルは 70−9.0−1.5=約59 dB になります。
次に感覚補正です。振動レベルは鉛直方向の感覚補正を加えた量で、8 Hzより高い側では周波数が上がるほどマイナスに働きます。加振振動数は 750÷60=12.5 Hz で、この補正は約−4 dB です。したがって敷地境界の振動レベルは 59−4=約55 dBとなり、選択肢(4)が正解です。感覚補正を忘れると約59 dBのまま選択肢(5)を選んでしまうのが典型的なミスです。
覚え方
- 振動加速度レベルと振動レベルは別物。振動レベルは感覚補正込み。
- 表面波の距離減衰=幾何減衰10・log(r/r₀)+内部減衰8.68・λ・(r−r₀)。
- 回転数(rpm)÷60=加振振動数(Hz)。感覚補正の周波数はここから。
理解度チェック
振動加速度レベルから振動レベルを出すには何をする?
加振振動数に応じた鉛直方向の感覚補正を加えます。8 Hzより高い側では周波数が上がるほど値が下がります。
毎分750回転は何Hzの加振振動数?
750÷60=12.5 Hzです。この周波数で感覚補正(約−4 dB)を求めます。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月