令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問2を解説|廃棄物焼却の排出抑制
令和2年度 ダイオキシン類特論 問2は、廃棄物焼却におけるダイオキシン類の排出抑制に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は生成量をゼロにするのが難しいため、排ガス処理で最終的に外へ出る量を抑えることが柱になります。集じん(バグフィルター)、活性炭吹込みによる吸着、触媒による酸化分解が代表的な手段です。引っかけの核心はバグフィルターの温度で、ダイオキシン類は低温ほど気相から粒子表面へ凝縮・吸着してろ布で捕らえやすくなります。したがって分離性能は低温側で高く、「高温ほどよくなる」と読ませる肢が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 生成量をゼロにするのは困難なので、排ガス処理による排出抑制が重要というのは正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | ダイオキシン類の分離性能は低温ほどよくなります。「高温ほどよくなる」とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | バグフィルターへの活性炭吹込みで気相のダイオキシン類を吸着除去できるのは正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | ダイオキシン類は触媒による酸化分解が可能というのは正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 除去率を上げると分離されたフライアッシュ中の濃度が高くなる傾向があるのは正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は温度が下がると、気相(ガス状)から粒子の表面へ凝縮・吸着していきます。バグフィルターは捕らえた粒子をろ布ごと分離する装置なので、ダイオキシン類が粒子側に移っている低温ほど分離性能が高くなります。逆に高温では気相のまま通り抜けてしまい、分離性能は落ちます。選択肢(2)は「高温ほどよくなる」としており、温度と分離性能の関係が逆です。実際の運転でも、ろ過集じんの前でガスを冷やしてから捕集するのはこのためです。ただし冷やしすぎるとダイオキシン類の再合成や露点腐食の問題があるので、適切な温度域で運転します。
覚え方
- バグフィルターのダイオキシン分離は低温ほど良い(粒子に凝縮して捕れる)。
- 気相分は活性炭吹込みで吸着除去。触媒で酸化分解も可能。
- 除去率を上げるほど、分離したフライアッシュ側の濃度は高くなる。
理解度チェック
バグフィルターのダイオキシン類分離性能は、高温と低温のどちらでよくなる?
低温です。低温ではダイオキシン類が粒子表面に凝縮し、ろ布で捕らえやすくなります。
気相のダイオキシン類を除くには、バグフィルターに何を吹き込む?
活性炭です。吹き込んだ活性炭に気相のダイオキシン類を吸着させて除去します。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月