令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問1を解説|固体燃料の燃焼と熱分解
令和2年度 ダイオキシン類特論 問1は、固体燃料の燃焼における粒子の温度と熱分解に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
固体燃料が燃えるときは、加熱で放出される揮発分(可燃ガス)が気相で燃える分解燃焼と、揮発分が抜けたあとに残る固定炭素が表面で燃える表面燃焼に分かれます。粒子の温度は炉内の雰囲気温度や熱伝達・熱放射で決まり、高温ほど揮発分の放出が速く進みます。引っかけの核心は揮発分の多少で、プラスチックや一般廃棄物は燃料用石炭に比べて揮発分が多い燃料です。ここを「少ない」と読ませるのが誤りの肢で、揮発分が多いほど分解燃焼で多量の可燃ガスが出て、条件次第ですすが生じやすくなります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 粒子の温度上昇率が雰囲気温度・熱伝達率・周囲壁面の温度と放射率でほぼ決まるのは正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 高温・熱放射の強い条件で粒子温度が急上昇し揮発分の放出が進むのは正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 分解燃焼は気相での揮発分の燃焼で、混合速度や化学反応速度が燃焼速度を決めるのは正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 揮発分の多い燃料が高温に供給されると多量の揮発分が急速に出て酸素供給が間に合わず、すすが生じやすいのは正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | プラスチックや一般廃棄物は石炭より揮発分が多い燃料です。「少ない」とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
プラスチックや一般廃棄物は、燃料用石炭に比べて揮発分が非常に多い燃料です。選択肢(5)はこれを「揮発分の少ない燃料」としており、多い・少ないを取り違えた点が誤りです。揮発分が多い燃料が高温の炉に入ると、加熱で多量の可燃ガスが一気に放出され、粒子の近くでは酸素の供給が追いつかず、局所的に酸素が不足してすすが生じやすくなります。石炭のように揮発分がそれほど多くない燃料と、揮発分の多い廃棄物系燃料とでは、放出される可燃ガスの量が大きく違うと押さえておくと取り違えません。
覚え方
- プラスチック・一般廃棄物は石炭より揮発分が多い。
- 揮発分が多い燃料ほど、酸素不足の条件ですすが出やすい。
- 固体燃料の燃焼は分解燃焼(揮発分)と表面燃焼(固定炭素)の二段。
理解度チェック
プラスチックや一般廃棄物の揮発分は、燃料用石炭と比べて多い?少ない?
多いです。揮発分が多いため、条件によってはすすが生じやすくなります。
揮発分の多い燃料が高温に供給されると、なぜすすが出やすい?
多量の揮発分が急速に放出され、粒子近傍で酸素供給が間に合わないためです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月