ごみ焼却の排ガスって、何をどう取るの?で迷いませんか。出てくる有害物質ごとに「どの装置で取るか」を結びつけると、すっきり整理できます。
この記事の要点
都市ごみ焼却の排ガスには、いくつもの有害物質が含まれ、物質ごとに処理方法が違います。
都市ごみを焼却すると、塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじん、水銀、ダイオキシン類、カドミウムや鉛などの重金属が排ガスに含まれます。これらを物質ごとに処理します。
塩化水素(HCl)や硫黄酸化物(SOx)は、消石灰などのアルカリ剤を吹き込んで反応させ、生成物をバグフィルターで捕集する乾式法・半乾式法が主流です。
ここが引っかけで、「アルカリ水溶液を使う湿式法が主流」とするのは誤りです。ごみ焼却では、設備が簡単で排水処理が要らない乾式・半乾式が広く使われています。
ばいじん(ダスト)は、バグフィルター(ろ過式集じん装置)で除去します。カドミウムや鉛などの重金属は、ばいじんに付いて存在するため、ばいじんを除去すると一緒に取り除かれます。ダイオキシン類発生防止のガイドライン制定後は、集じん設備としてバグフィルターが主流になっています。
水銀やダイオキシン類は、活性炭を使って除去します。具体的には、バグフィルターの低温化、活性炭の吹き込みとバグフィルターの組合せ、活性炭充塡塔などが有効です。窒素酸化物(NOx)には、燃焼制御法や乾式法(脱硝)が多く用いられます。
消石灰・活性炭を吹き込み、バグフィルターでまとめて捕集するのが基本の流れ。
ごみ焼却の排ガス処理は、大規模大気特論で、処理方法の正誤や有害物質と濃度の組合せとして問われます。
令和7年度の大規模大気特論(問10)では、「集じんはバグフィルターが主流」「重金属はばいじん除去で取れる」などが正しい記述として並ぶなかで、「塩化水素や硫黄酸化物の処理は、アルカリ水溶液を用いる湿式法が主流」とするのが誤りでした。ごみ焼却では乾式法・半乾式法が主流です。なお問9では、塩化水素 250〜1000 ppm、NOx 80〜200 ppm、ばいじん 2〜5 g/m³N、ダイオキシン類 1〜10 ng-TEQ/m³N といった発生濃度の目安も問われました。
混同しやすい用語
乾式法 と 湿式法
ごみ焼却のHCl・SOx処理では、どちらが主流かが問われます。
ごみ焼却では、消石灰を吹き込んでバグフィルターで捕集する乾式法・半乾式法が主流です。アルカリ水溶液の湿式法は主流ではありません。
「ごみ焼却=乾式(消石灰+バグフィルター)」と覚えます。
ごみ焼却施設で、塩化水素や硫黄酸化物の処理に主流の方法はどれか。
答え:消石灰などアルカリ剤を使う乾式法・半乾式法
アルカリ水溶液を用いる湿式法が主流、とするのは誤りです。
カドミウムや鉛などの重金属は、どうやって排ガスから取り除かれるか。
答え:ばいじんを除去することで一緒に取り除かれる(バグフィルター)
重金属はばいじんに付いて存在するためです。水銀・ダイオキシン類は活性炭で除去します。
ごみ焼却の排ガス処理は、物質と装置を結びつけると整理できます。
塩化水素・硫黄酸化物は消石灰の乾式法・半乾式法が主流、ばいじんと重金属はバグフィルター、水銀・ダイオキシン類は活性炭で除去します。
「HCl・SOxは乾式が主流(湿式ではない)」を、取り違えないようにします。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
HCl・SOx処理が乾式か湿式か、どの物質をどの装置で取るかが狙われます。
ごみ焼却のHCl・SOx処理は乾式法・半乾式法が主流です。「湿式法が主流」とあれば誤りです。ばいじん・重金属はバグフィルター、水銀・ダイオキシン類は活性炭、と結びつけて覚えます。