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令和5年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問6を解説|活性炭吸着法の適用

令和5年度 水質有害物質特論 問6は、活性炭吸着法で処理したときに、最も効果が期待できない排水を選ぶ問題です。

この問題のポイント

活性炭は表面の細かな孔で分子をつかまえる吸着材で、油になじむ有機物をよくつかまえます。トリクロロエチレンや有機りん、PCBのような有機化合物、水にとけにくい塩化水銀(Ⅱ)などは活性炭で処理できます。分かれ目は、無機のイオンとして水にとけている成分は活性炭では取れにくいという点です。セレン(Ⅵ)はマイナスの無機イオン(オキソ酸イオン)として溶けているため、活性炭吸着では効果が期待できません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)

各選択肢の可否

選択肢活性炭吸着解説
(1)×(効果が小さい)セレン(Ⅵ)は無機のイオンとして溶けており、活性炭では吸着されにくいため効果が期待できません。
(2)○(期待できる)塩化水銀(Ⅱ)は活性炭に吸着させて処理できます。
(3)○(期待できる)トリクロロエチレンは有機化合物で、活性炭吸着に向きます。
(4)○(期待できる)有機りんも有機化合物で、活性炭に吸着されます。
(5)○(期待できる)PCBは水になじみにくい有機化合物で、活性炭吸着の対象になります。

選択肢(1)のポイント(ここが分かれ目)

活性炭がよくつかまえるのは、水になじみにくく油になじみやすい有機物です。孔の内側の表面に有機分子がくっつくことで水から抜けます。ところがセレン(Ⅵ)は、水の中でマイナスに帯電した無機のオキソ酸イオンとして安定に溶けているため、活性炭の表面にはほとんどくっつかず、吸着で取り除くのは難しいのです。セレンのような無機イオンは、共沈や還元・鉄との反応など別の方法で処理します。ほかの4つは有機物や活性炭になじむ成分なので、活性炭吸着の効果が期待できます。

覚え方

  • 活性炭は有機物・油になじむ成分に強い。無機イオンは苦手。
  • 溶けた無機イオン(セレンなど)は共沈・還元で処理。活性炭では取れにくい。

理解度チェック

Q.

活性炭吸着が得意とするのはどんな成分?

水になじみにくい有機物です。トリクロロエチレン、有機りん、PCBなどが対象になります。

Q.

セレン(VI)排水に活性炭吸着が向かないのはなぜ?

無機のイオンとして水に安定に溶けており、活性炭の表面にくっつきにくいからです。共沈や還元などで処理します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF