活性炭吸着とは?フロイントリッヒの式と再生のしくみ
エコまる
活性炭吸着って、フロイントリッヒの式とか再生とか、結局なにが問われるの?
活性炭吸着は、多孔質の活性炭に水中の有機物などを吸着させて除去する処理です。
活性汚泥法などの生物処理で取りきれない溶解性の有機物を、仕上げに除く高度処理としてよく使われます。
汚水処理特論では定番のテーマで、毎年のように問われます。
問われ方は活性炭の性質・フロイントリッヒの式・再生の3点に集中します。
活性炭はなぜよく吸着するのか
活性炭は、木材やヤシ殻、石炭などを炭化し、さらに賦活してつくります。
賦活とは、高温の水蒸気などと反応させて内部に無数の細孔を発達させる処理です(水蒸気賦活)。
これにより活性炭は多孔質になり、重さのわりに表面積が非常に大きい材料になります。この広い表面に物質が吸着します。
吸着されやすさには相手の性質が関係します。活性炭には、水になじみにくい疎水性の強い物質ほど吸着されやすい性質があります。
粒の大きさで分けると、粒子径が1mm程度以下のものを粉末炭、1mm程度以上のものを粒状炭と呼びます。
フロイントリッヒの式は両対数グラフで直線になる
活性炭がどれだけ吸着するか(吸着平衡)は、フロイントリッヒの式で表します。
式は X=kCⁿ です。Xは活性炭の単位質量あたりの吸着量、Cは水中の濃度で、kとnはともに正の定数です。
この式の特徴は、両辺の対数をとると logX=logk+n・logC という直線の形になることです。
つまり、CとXをともに対数目盛りでとった両対数グラフでは、傾きn・切片logkの右上がりの直線になります。
フロイントリッヒの式 X=kCⁿ は、両対数グラフ上で傾きn・切片logkの右上がりの直線になる。
ふつうの目盛りどうしのグラフでは曲線です。両対数にすると直線になる、という見抜き方がグラフ問題の分かれ目です。
使い終わった活性炭は再生して使う
活性炭は吸着を続けると吸着できる量が尽き、処理水に吸着質が出はじめます(この点を破過といいます)。破過は、イオン交換樹脂でも出てくる考え方です。
溶けたイオンや塩類のように活性炭が苦手とする成分は、膜分離などほかの高度処理で補います。
破過した活性炭は捨てるのではなく、吸着した物質を取り除いて再生し、くり返し使います。
再生方法には、乾式加熱(高温加熱)再生・湿式酸化法・薬品再生法・電気化学的再生法などがあります。
乾式加熱再生は、高温で加熱してほとんどの有機物を脱着・分解でき、対象が広いのが長所です。
ただし高温で処理するため、再生のたびに活性炭そのものが少しずつ消耗します。ここが試験で繰り返し狙われます。
汚水処理特論での問われ方
活性炭吸着は、性質・式・再生のそれぞれが過去問になっています。
令和5年度 汚水処理特論 問6では、活性炭の性質が問われ、粉末炭と粒状炭を分ける粒子径の境界(1mm程度)が引っかけでした。
令和6年度 汚水処理特論 問5では、フロイントリッヒの式 X=kCⁿ を正しく表したグラフが問われ、両対数で直線になるものが正解でした。
令和6年度 汚水処理特論 問6と令和7年度 汚水処理特論 問5では、再生が問われ、いずれも「乾式加熱再生では活性炭の損失(消耗)がない」とする記述が誤りでした。
理解度チェック
フロイントリッヒの式 X=kCⁿ は、どんなグラフ上で直線になるか。
両対数グラフです。logX=logk+n・logC と変形でき、傾きn・切片logkの右上がりの直線になります。
乾式加熱(高温加熱)再生では、活性炭の損失(消耗)はあるか。
あります。再生のたびに活性炭は一部消耗します。「損失がない」とするのは誤りです。
活性炭に吸着されやすいのは、親水性と疎水性のどちらが強い物質か。
疎水性の強い物質ほど吸着されやすいです。
まとめ
活性炭吸着は、多孔質で疎水性物質を吸着し、平衡はフロイントリッヒの式 X=kCⁿ(両対数で直線)で表します。再生では乾式加熱で活性炭が一部消耗する点を押さえれば、汚水処理特論の活性炭の問題はほぼ取りきれます。
参考
- 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験(汚水処理特論 令和5年問6・令和6年問5/問6・令和7年問5)・公式正答
- 活性炭吸着の標準的事項(フロイントリッヒ吸着等温式/賦活/高温加熱再生)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
活性炭の再生は、長所だけでなく短所もセットで問われます。
「乾式加熱(高温加熱)再生では活性炭が損失しない」は誤りです。再生のたびに活性炭は一部が消耗します。長所(ほとんどの有機物を再生できる)と取り違えないようにします。