令和5年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問5を解説|ひ素排水の処理
令和5年度 水質有害物質特論 問5は、ひ素排水の処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ひ素排水は、鉄(Ⅲ)塩を加えて生じる水酸化鉄にひ素を取り込ませる共沈が中心で、鉄粉法やフェライト法、低濃度ではキレート樹脂も使われます。共沈では、五価のひ素(Ⅴ)のほうが三価のひ素(Ⅲ)より取り込まれやすい点が要点です。引っかけの核心は、鉄(Ⅲ)塩によるひ素(Ⅴ)共沈の最適pHがどちら側かです。この共沈がよく効くのは中性付近であって、選択肢(2)の「アルカリ性側」は適するpHの位置を取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ひ素排水は共存金属イオンが多く、pH調整による共沈で処理されることが多いです。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 鉄(Ⅲ)塩によるひ素(Ⅴ)の共沈は中性付近が適する方法で、「アルカリ性側」とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 鉄(Ⅲ)塩を用いた共沈では、三価より五価のひ素のほうが処理しやすいです。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 鉄粉法やフェライト法によっても処理できます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | キレート樹脂は低濃度排水の処理や凝集沈殿処理水の高度処理に使われます。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
鉄(Ⅲ)塩を加えると水酸化鉄(Ⅲ)ができ、その表面にひ素が取り込まれて一緒に沈みます。この共沈がもっともよく効くのは中性付近で、pHを高くしてアルカリ性側にしすぎると、かえってひ素が取り込まれにくくなります。選択肢(2)は最適pHを「アルカリ性側」としており、適するpHの位置を高い側に取り違えている点が誤りです。なお、共沈のしやすさは五価のひ素(Ⅴ)>三価のひ素(Ⅲ)で、三価はあらかじめ五価に酸化してから処理します。
覚え方
- 鉄(Ⅲ)塩によるひ素共沈は中性付近が適する(アルカリにしすぎない)。
- 共沈のしやすさは五価>三価。三価は五価に酸化してから処理。
理解度チェック
Q.
鉄(III)塩によるひ素(V)の共沈は、どのpH域が適する?
中性付近です。アルカリ性側にしすぎると取り込まれにくくなります。
Q.
三価と五価のひ素、共沈しやすいのはどちら?
五価のひ素(Ⅴ)です。三価はあらかじめ五価に酸化してから共沈させます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月