令和5年度 公害防止管理者 水質有害物質特論 問4を解説|有機水銀排水の処理
令和5年度 水質有害物質特論 問4は、有機水銀排水の処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
有機水銀は、まず塩素で酸化分解して炭素と水銀の結合を切り、生じた無機水銀を硫化物法で沈殿させ、仕上げに吸着処理で残りを落とす、という流れが基本です。引っかけの核心は、塩素酸化分解の分解のしやすさとアルキル基の大きさの関係の向きです。アルキル基の炭素数が大きいほど結合は切れやすく分解されやすいので、選択肢(2)の「炭素数が大きいほど分解されにくい」は向きが逆になっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 塩素による酸化分解では、強酸性下で炭素と水銀の結合が切られます。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | アルキル基の炭素数が大きいほど分解されやすい方向です。「分解されにくい」とする向きが誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 塩素で酸化分解して無機水銀にしたあと、硫化物法で処理します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 硫化物法の後処理として吸着処理を行い、残る水銀を落とします。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 水銀専用キレート樹脂には、ジチオカルバミド酸基をもつものがあります。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
塩素酸化分解は、炭素と水銀のあいだの結合を酸化して断ち切る処理です。アルキル基が大きく炭素数が多いほど、この結合はゆるく切れやすくなるため、炭素数が大きいものほど分解されやすいのが本当の向きです。選択肢(2)は「炭素数が大きいほど分解されにくい」と、分解のしやすさと炭素数の関係を逆に書いている点が誤りです。分解しにくいのは、むしろメチル水銀のように炭素数の小さい方です。
覚え方
- 有機水銀は塩素で酸化分解→硫化物法→吸着の順。
- 塩素酸化分解は炭素数が大きいほど分解されやすい(小さいメチル水銀ほど手ごわい)。
理解度チェック
Q.
有機水銀排水の基本的な処理の流れは?
塩素で酸化分解して無機水銀にし、硫化物法で沈殿させ、吸着処理で仕上げる流れです。
Q.
塩素酸化分解で分解しにくいのは炭素数が大きい方?小さい方?
炭素数が小さい方です。炭素数が大きいほど分解されやすく、メチル水銀のように小さいものほど分解しにくくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 水質有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月