令和7年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問9を解説|メタン発酵
令和7年度 水質関係技術特論 問9は、嫌気処理法のメタン発酵に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
メタン発酵は、排水や汚泥中の有機物を嫌気細菌の働きでメタンと二酸化炭素へ分解する処理で、UASBやEGSBといった高効率の装置に発展しています。曝気が不要で動力が小さく、発生するメタンをエネルギー利用できるのが利点です。引っかけの核心は微生物の増殖速度と余剰汚泥の量で、嫌気性のメタン発酵は好気性の活性汚泥法に比べて増殖が遅く、生じる余剰汚泥も少ないのが特徴です。選択肢(3)はこれを正反対に、増殖速度が大きく余剰汚泥も多いと述べており、嫌気処理の長所を裏返して取り違えさせる作りになっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 有機物を嫌気細菌の作用でメタンや二酸化炭素へ分解する処理です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 発展形としてUASBやEGSBがあります。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 増殖速度が大きく余剰汚泥も多いとする点が誤りです。実際は増殖が遅く、余剰汚泥は少なくなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 曝気が不要なため動力が少なくてすみます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 有機物をメタンガスに変換し、エネルギーとして利用できます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
嫌気性のメタン発酵を担う微生物は、好気性の活性汚泥に比べて増殖速度が小さいのが基本です。増殖が遅いということは、処理で新たに生まれる菌体(汚泥)も少ないということで、結果として余剰汚泥の発生量はむしろ少なくなります。選択肢(3)は「増殖速度が大きく、余剰汚泥の発生量も多い」と、この関係を正反対に述べている点が誤りです。余剰汚泥が少ないことは処理コストや汚泥処分の面でメタン発酵の利点であり、曝気不要で動力が小さいことと合わせて嫌気処理の強みになっています。
覚え方
- メタン発酵は嫌気で増殖遅い・余剰汚泥少ない。
- 曝気不要で動力が小さく、メタンをエネルギー回収できる。
- 高効率化した装置がUASB・EGSB。
理解度チェック
メタン発酵は活性汚泥法に比べ余剰汚泥が多い?少ない?
少ないです。嫌気性の微生物は増殖が遅く、生じる余剰汚泥も少なくなります。
メタン発酵で曝気が不要なのはなぜ?
酸素を使わない嫌気反応だからです。酸素供給が要らない分、動力が少なくてすみます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月