UASBって、活性汚泥の前?後ろ?で迷いませんか。高濃度の有機排水をまず嫌気で大きく減らす、だから前段、と押さえます。
この記事の要点
食品工場の排水はBODが高く、生物処理が向きます。高濃度の有機排水には、嫌気処理のUASBが使われます。
食料品製造業の排水は、糖や有機酸など生物分解しやすいBOD成分が多く、活性汚泥法などの生物処理が多く使われます。とくに高濃度の有機排水では、嫌気処理のUASBが活躍します。
UASB(上向流式嫌気汚泥床)とは、嫌気性の微生物が集まった汚泥の層(グラニュール汚泥)に、排水を下から上向きに通して、メタン発酵で有機物を分解する高速の嫌気処理です。
嫌気処理なので、活性汚泥法と違って曝気(空気を送ること)が不要で、エネルギーが少なくてすみます。さらに、発生するメタンガスを燃料として回収できます。ビール工場など、高濃度の有機排水を出す食品工場で使われます。
高濃度の有機排水では、まずUASB(嫌気)でBODの大半を分解し、そのあとに活性汚泥(好気)で仕上げる二段処理にします。
つまり、UASBは活性汚泥処理の「前段」に置きます。濃い排水をいきなり活性汚泥にかけると曝気の負担が大きいため、先に嫌気で濃度を下げておくのが合理的です。「活性汚泥の後段にUASBを置く」とするのは誤りになります。
嫌気のUASBを前段に置きBODを大きく下げ、後段の好気(活性汚泥)で仕上げる。
UASB・食品排水は、大規模水質特論で、処理方式や処理の順序の正誤として問われます。
令和7年度の大規模水質特論(問9)では、「食品排水はBOD成分が多く生物処理が多い」「清涼飲料の有機物は糖質と有機酸でほとんど生物分解できる」などが正しい記述として並ぶなかで、「曝気が不要なUASBを活性汚泥処理の後段で採用する二段処理」とするのが誤りでした。UASBは活性汚泥処理の前段に置くのが適切です。
混同しやすい用語
嫌気処理(UASB) と 好気処理(活性汚泥)
空気を送るかどうか、置く順番が違います。
UASBは嫌気・曝気不要でメタン発酵、活性汚泥は好気・曝気が必要です。高濃度排水では、UASB(前段)→活性汚泥(後段)の順にします。
「濃い排水はまず嫌気で減らす→UASBが前」と覚えます。
UASBは曝気が必要か、不要か。
答え:不要(嫌気処理)
嫌気性微生物によるメタン発酵で有機物を分解します。曝気が必要なのは好気の活性汚泥法です。
高濃度有機排水の二段処理で、UASBは活性汚泥の前段・後段どちらに置くか。
答え:前段
先に嫌気のUASBでBODの大半を分解し、後段の活性汚泥で仕上げます。
食品排水とUASBは、嫌気・好気と順序で整理できます。
UASB(上向流式嫌気汚泥床)は、嫌気・曝気不要でメタン発酵により有機物を分解する処理です。高濃度有機排水では、活性汚泥の前段に置く二段処理にします。
「UASB=嫌気・前段」を、後段と取り違えないようにします。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
UASBが嫌気か好気か、前段か後段かが狙われます。
UASBは嫌気処理(曝気不要)で、活性汚泥の前段に置きます。「後段で採用」とあれば誤りです。食品排水はBODが高く生物処理向き、もあわせて押さえます。