公害防止管理者 独学ノート

公害防止管理者 独学ノート
  1. HOME
  2. 水質関係の用語
  3. > UASBと食品排水

UASBと食品排水とは(上向流式嫌気汚泥床・前段に置く)

公害防止管理者 独学ノート

UASBって、活性汚泥の前?後ろ?で迷いませんか。高濃度の有機排水をまず嫌気で大きく減らす、だから前段、と押さえます。

この記事の要点

食品工場の排水はBODが高く、生物処理が向きます。高濃度の有機排水には、嫌気処理のUASBが使われます。

  • UASB(上向流式嫌気汚泥床)=嫌気性の汚泥層に排水を下から通し、メタン発酵で分解
  • 嫌気処理なので曝気が不要(省エネ)
  • 高濃度有機排水では、活性汚泥の前段に置く二段処理にする

食料品製造業の排水は、糖や有機酸など生物分解しやすいBOD成分が多く、活性汚泥法などの生物処理が多く使われます。とくに高濃度の有機排水では、嫌気処理のUASBが活躍します。

UASB(上向流式嫌気汚泥床)とは

UASB(上向流式嫌気汚泥床)とは、嫌気性の微生物が集まった汚泥の層(グラニュール汚泥)に、排水を下から上向きに通して、メタン発酵で有機物を分解する高速の嫌気処理です。

嫌気処理なので、活性汚泥法と違って曝気(空気を送ること)が不要で、エネルギーが少なくてすみます。さらに、発生するメタンガスを燃料として回収できます。ビール工場など、高濃度の有機排水を出す食品工場で使われます。

UASBは活性汚泥の「前段」に置く

高濃度の有機排水では、まずUASB(嫌気)でBODの大半を分解し、そのあとに活性汚泥(好気)で仕上げる二段処理にします。

つまり、UASBは活性汚泥処理の「前段」に置きます。濃い排水をいきなり活性汚泥にかけると曝気の負担が大きいため、先に嫌気で濃度を下げておくのが合理的です。「活性汚泥の後段にUASBを置く」とするのは誤りになります。

高濃度有機排水の二段処理 高濃度 有機排水 前段:UASB 嫌気・曝気不要 メタン発酵 後段:活性汚泥 好気・曝気 仕上げ

嫌気のUASBを前段に置きBODを大きく下げ、後段の好気(活性汚泥)で仕上げる。

大規模水質特論での問われ方

UASB・食品排水は、大規模水質特論で、処理方式や処理の順序の正誤として問われます。

令和7年度の大規模水質特論(問9)では、「食品排水はBOD成分が多く生物処理が多い」「清涼飲料の有機物は糖質と有機酸でほとんど生物分解できる」などが正しい記述として並ぶなかで、「曝気が不要なUASBを活性汚泥処理の後段で採用する二段処理」とするのが誤りでした。UASBは活性汚泥処理の前段に置くのが適切です。

混同しやすい用語

嫌気処理(UASB) と 好気処理(活性汚泥)

空気を送るかどうか、置く順番が違います。

UASBは嫌気・曝気不要でメタン発酵、活性汚泥は好気・曝気が必要です。高濃度排水では、UASB(前段)→活性汚泥(後段)の順にします。

「濃い排水はまず嫌気で減らす→UASBが前」と覚えます。

まちがえやすいポイント

UASBが嫌気か好気か、前段か後段かが狙われます。

UASBは嫌気処理(曝気不要)で、活性汚泥の前段に置きます。「後段で採用」とあれば誤りです。食品排水はBODが高く生物処理向き、もあわせて押さえます。

理解度チェック

Q.

UASBは曝気が必要か、不要か。

答え:不要(嫌気処理)

嫌気性微生物によるメタン発酵で有機物を分解します。曝気が必要なのは好気の活性汚泥法です。

Q.

高濃度有機排水の二段処理で、UASBは活性汚泥の前段・後段どちらに置くか。

答え:前段

先に嫌気のUASBでBODの大半を分解し、後段の活性汚泥で仕上げます。

まとめ

食品排水とUASBは、嫌気・好気と順序で整理できます。

UASB(上向流式嫌気汚泥床)は、嫌気・曝気不要でメタン発酵により有機物を分解する処理です。高濃度有機排水では、活性汚泥の前段に置く二段処理にします。

「UASB=嫌気・前段」を、後段と取り違えないようにします。

水質の用語解説へ

参考

  • 食料品製造業の排水処理(UASB=上向流式嫌気汚泥床、嫌気・曝気不要のメタン発酵、活性汚泥の前段に置く二段処理)
  • 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 出題範囲・公式正答(令和7年度 問9 ほか)
公害防止管理者 独学ノート 編集部

この記事を書いた人

公害防止管理者 独学ノート 編集部

公害防止管理者試験の用語・法令・計算を、環境省の告示や過去問に照らして、独学者の目線で整理しています。

Topへ >>