令和4年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問11を解説|メタン発酵法
令和4年度 水質関係技術特論 問11は、好気処理の活性汚泥法と比較した、嫌気処理のメタン発酵法の一般的な特徴に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
嫌気処理のメタン発酵法は、酸素を送り込まずに嫌気性微生物で有機物を分解する方式です。曝気動力が不要で所要動力が小さい、余剰汚泥の生成が少ない、高濃度の有機性排水を処理できる、といった利点があります。引っかけの核心はスタートアップ(立ち上げ)に要する期間です。嫌気性微生物は好気性微生物より増殖速度が遅いため、装置を立ち上げるまでにかえって長い期間がかかります。選択肢(5)はここを「短い」と逆に書いています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 嫌気処理は高濃度の有機性排水に適し、対象とする排水濃度は高くなります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 反応が緩やかで、水理学的滞留時間は長くとります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 菌体の増殖が少なく、汚泥生成率は低くなります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 曝気が不要なので所要動力は小さくなります。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | スタートアップに要する期間を「短い」としている点が誤りです。増殖が遅く、立ち上げには長い期間がかかります。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
嫌気処理を担うメタン生成菌などの嫌気性微生物は、好気性微生物に比べて増殖速度が遅いのが特徴です。そのため装置の立ち上げ時に、十分な菌体量を確保して安定運転に入るまで種汚泥の馴養に時間がかかり、スタートアップに要する期間はむしろ長くなります。選択肢(5)はこれを「短い」と逆に述べている点が誤りです。所要動力が小さい・汚泥生成率が低いという省エネ的な長所の裏返しとして、立ち上げが遅いという短所がある、と対で押さえておくと取り違えを防げます。
覚え方
- 嫌気メタン発酵は省エネだが立ち上げが遅い。
- 長所=動力小・汚泥少・高濃度向き、滞留時間は長い。
- 短所=増殖が遅くスタートアップに長期間。
理解度チェック
Q.
嫌気処理のメタン発酵法は、活性汚泥法よりスタートアップが速い?遅い?
遅いです。嫌気性微生物は増殖が遅く、立ち上げに長い期間がかかります。
Q.
メタン発酵法の所要動力が小さいのはなぜ?
曝気(空気を送る操作)が不要だからです。汚泥生成率も低くなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月