令和2年度 公害防止管理者 水質関係技術特論 問12を解説|メタン発酵プロセス
令和2年度 水質関係技術特論 問12は、メタン発酵処理プロセスの構成を示した図を選ぶ問題です。五つのフロー図のうち、最も適したものを選びます。
この問題のポイント
メタン発酵は酸素を使わない嫌気処理で、原液中の有機物を分解してメタンを含むガスを回収します。ただし発酵槽を出た水にはまだ有機物(BOD)が残るため、そのままでは放流できません。分かれ目は処理の順番で、原液を前処理してからメタン発酵槽へ入れ、発生ガスを回収・利用し、発酵槽の後に好気処理を置いて残りの有機物を仕上げ、最後に汚泥分離して処理水を得るという流れになっているかどうかです。ガスの回収先や好気処理・汚泥分離の前後関係が入れ替わった図が誤りの候補になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
正しいプロセスの並び
| 段階 | 役割 |
|---|---|
| 前処理 | 原液を発酵に適した状態に整える(夾雑物除去・濃度や温度の調整など)。 |
| メタン発酵槽 | 嫌気状態で有機物を分解し、メタンを含むガスを発生させる中心工程。ガスは回収して利用する。 |
| 好気処理 | 発酵槽を出た水に残るBODを、酸素を使って仕上げ分解する後段処理。 |
| 汚泥分離 | 処理水と汚泥を分け、処理水を放流、汚泥は汚泥処理へ。 |
ここが分かれ目
メタン発酵は嫌気処理なので、それ単独では処理水質が足りず、後ろに酸素を使う仕上げ工程が要ります。正しい構成は前処理 → メタン発酵槽(ガス回収)→ 好気処理 → 汚泥分離 → 処理水という順で、この並びを満たすのが選択肢(3)です。誤りの図は、好気処理と汚泥分離の前後が入れ替わっていたり、発生ガスの回収・利用の位置がずれていたりして、嫌気で分解 → 好気で仕上げ → 固液分離という筋が通っていません。まず「嫌気のあとに好気で仕上げる」という大きな流れを押さえるのが解法の軸です。
覚え方
- メタン発酵は嫌気で分解→好気で仕上げ→固液分離の順。発酵単独では放流水質に届かない。
- 発生ガスは回収して利用。発酵槽の出口に好気処理を付けて残りのBODを落とす。
理解度チェック
メタン発酵槽の後に好気処理を置くのはなぜ?
嫌気のメタン発酵だけでは処理水に有機物(BOD)が残るためです。後段の好気処理で残りを分解し、放流できる水質まで仕上げます。
メタン発酵で発生したガスはどうする?
回収して利用します。メタンを含む可燃性のガスなので、エネルギー源として使えるのが嫌気処理の利点です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 水質関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月