令和7年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問20を解説|実体波とレイリー波の減衰
令和7年度 騒音・振動特論 問20は、地盤を伝わる実体波とレイリー波の幾何減衰量が、距離が3倍になったときに何dB異なるかを求める計算問題です。適切な値を選びます。
この問題のポイント
幾何減衰(幾何学的拡散による減衰)は、波が広がって振動のエネルギーが薄まることで生じる減衰です。その量は ΔL=20×(幾何減衰係数)×log(距離比)で表せます。分かれ目は、実体波とレイリー波で幾何減衰係数が違う(実体波1、レイリー波0.5)点で、同じ距離比でも減衰量が2倍違うことです。求めるのは両者の差なので、係数の差0.5に距離比の対数を掛ければ答えが出ます。レイリー波(表面波)のほうが遠くまで減りにくいのが要点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 差 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 約0 dB | × 計算値と一致しません。 |
| (2) | 約3 dB | × 計算値と一致しません。 |
| (3) | 約5 dB | ○ 下記の手順で求まる約4.8 dBと一致します。 |
| (4) | 約10 dB | × 計算値と一致しません。 |
| (5) | 約15 dB | × 計算値と一致しません。 |
計算の手順
幾何減衰量は、幾何減衰係数nと距離比を使って ΔL=20×n×log(r2/r1)で求めます。r2/r1=3 なので log3≒0.477 として、
- 実体波(n=1):ΔL = 20×1×0.477 ≒ 9.5 dB
- レイリー波(n=0.5):ΔL = 20×0.5×0.477 ≒ 4.8 dB
- 差 = 9.5 − 4.8 ≒ 4.8 dB ≒ 約5 dB
よって両者の幾何減衰量の差は約5 dBで、正解は選択肢(3)です。係数の差だけに注目すれば、20×(1−0.5)×log3=10×0.477≒4.8 dBと一気に求められます。
覚え方
- 幾何減衰量=20×幾何減衰係数×log(距離比)。係数は実体波1、レイリー波0.5。
- レイリー波(表面波)は係数が小さく、遠くまで減りにくい。
理解度チェック
Q.
実体波とレイリー波の幾何減衰係数はそれぞれいくつ?
実体波1、レイリー波0.5です。係数が小さいレイリー波のほうが距離による減衰が緩やかです。
Q.
距離比が3倍のとき、係数の差だけで差を求めると?
20×(1−0.5)×log3=10×0.477≒4.8 dBで、約5 dBです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月