1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 騒音・振動特論
  4. 令和6年
  5. > 問17 振動防止対策の考え方

令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問17を解説|振動防止対策の考え方

令和6年度 騒音・振動特論 問17は、工場振動を抑えるための振動防止対策の基本的な考え方に関する問題です。不適当なものを選びます。

この問題のポイント

振動対策は「発生源で加振力を減らす」「支持部で伝わりを断つ」「伝播経路で遮る」の三つに整理できます。加振力の低減、弾性支持、動吸振器、基礎重量の増加はいずれも定石です。引っかけの核心は、伝播経路対策である溝や地中塀の位置づけです。これらは有効な波長との関係で相当な深さと規模が必要で、費用も大きく、効果も条件次第で限られます。したがって「簡便かつ効果が大きい」という説明が実情と合いません。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(4)(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)機械の保守や改善で加振力そのものを小さくするのは、発生源対策の基本です。正しい記述です。
(2)○(正しい)弾性支持は、機械から基礎への振動伝達を断つ代表的な防振手段です。正しい記述です。
(3)○(正しい)動吸振器は、対象周波数の揺れを打ち消す振動源側の対策として用いられます。正しい記述です。
(4)×(不適当)溝や地中塀は大規模で費用がかかり、効果も波長次第で限られるため、簡便かつ効果が大きいとはいえません。
(5)○(正しい)機械基礎の重量を増やすと系全体が動きにくくなり、振動が小さくなります。正しい記述です。

選択肢(4)のポイント(ここが誤り)

溝や地中塀は、地盤を伝わる表面波(レイリー波)を途中でさえぎる伝播経路対策です。しかし、波をさえぎるには対象周波数の波長に見合った深さが要り、低い周波数では波長が長いため溝や壁を非常に深く大きく造らなければなりません。工事は大規模で費用もかさみ、地盤条件によっては期待した減衰が得られないこともあります。したがって選択肢(4)の「簡便かつ効果が大きい対策」という位置づけが不適当で、実際は「大掛かりで効果は条件依存」というのが正しい理解です。発生源での加振力低減や弾性支持のほうが優先される対策です。

覚え方

  • 振動対策は発生源→支持部→伝播経路の順で考える。
  • 溝・地中塀は伝播経路対策だが、深さが要り大規模・効果は波長依存。
  • 簡便で確実なのは加振力低減・弾性支持・基礎重量増。

理解度チェック

Q.

溝や地中塀による振動対策の弱点は?

低い周波数ほど波長が長く、さえぎるのに大きな深さと規模が必要で、費用がかかり効果も条件に左右される点です。

Q.

機械基礎の重量を増やすと振動が減るのはなぜ?

同じ加振力に対して質量が大きいほど動きにくくなり、揺れの振幅が小さくなるためです。

令和6年 騒音・振動特論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF