令和6年度 公害防止管理者 騒音・振動特論 問18を解説|共振の鋭さと減衰係数
令和6年度 騒音・振動特論 問18は、ダンパーとばねで支持された1自由度系で、共振の鋭さQを現状の5分の1にするために減衰係数を何倍にすべきかを求める計算問題です。最も近い値を選びます。
この問題のポイント
与えられた関係は Q=1/(2ζ) です。ここで減衰比ζは、減衰係数を c、質量を m、ばね定数を k とすると ζ=c/(2√(mk)) で表せます。ばねと質量を変えずダンパーだけを取り替えるので、ζは減衰係数cに正比例し、Qはcに反比例します。したがってQを5分の1にするには、ζを5倍、すなわち減衰係数を約5倍にすればよく、答えは選択肢(3)です。逆数や2乗をとって0.04・0.1・25と迷わせるのが引っかけです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | × | 0.04。1/5を2乗した値で、Qとcおよびζとcのどちらも1乗の比例関係に反します。 |
| (2) | × | 0.1。減衰係数を減らす向きに取り違えた値で、Qを下げるにはζを増やす必要があります。 |
| (3) | ○(最も近い) | 5。Q∝1/ζ、ζ∝cなので、Qを1/5にするにはcを5倍にします。正しい値です。 |
| (4) | × | 10。倍率を過大にとった値で、5倍で条件を満たします。 |
| (5) | × | 25。5を2乗した値で、比例関係を2乗と勘違いした場合の誤答です。 |
計算の手順(正解の求め方)
Q=1/(2ζ) より、Qとζは反比例です。目標はQを現状の1/5にすることなので、ζを5倍にすればよいことになります。次に、ばねと質量を変えないという条件から ζ=c/(2√(mk)) の分母は一定で、ζは減衰係数cに正比例します。よってζを5倍にするには c を5倍にすればよく、減衰係数は約5倍となります。Qを小さくする(共振を鈍くする)にはダンパーを強くする向きだと押さえれば、0.04や0.1のような1未満の値は選びません。
覚え方
- 共振の鋭さQ=1/(2ζ)。Qとζは反比例。
- ζ(減衰比)は減衰係数cに比例。ばね・質量が同じならζ∝c。
- 共振を鈍らせたい=Qを下げたい=ダンパーを強く(cを大きく)。
理解度チェック
共振の鋭さQを小さくするには、ダンパーを強くする・弱くするどちら?
強くする方向です。Q=1/(2ζ)でζを大きくするとQは小さくなり、共振のピークが鈍くなります。
Qを1/5にするのに減衰係数を25倍としないのはなぜ?
ζは減衰係数に1乗で比例し、Qはζに反比例だからです。倍率も1乗で対応し、5倍で足ります。25倍は2乗と取り違えた誤りです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 騒音・振動特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月