令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問20を解説|排ガス試料の前処理
令和7年度 ダイオキシン類特論 問20は、排ガス試料の前処理操作(抽出・クリーンアップ)に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
前処理は、採取した試料からダイオキシン類を溶媒に移す「抽出」と、妨害成分を取り除く「クリーンアップ」からなります。ここでも一貫した原則は「目的物質を失わない」ことです。引っかけの核心はろ過材の扱いで、ろ過材を加熱乾燥するとダイオキシン類が揮散して失われるため、加熱乾燥してから抽出する、という記述が誤りです。汚染確認や形態ごとの抽出など他の操作は正しく述べられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 前処理が抽出とクリーンアップからなるとする点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 用いる試薬・器具にダイオキシン類の汚染がないことを確認する点は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 内標準物質を添加後、ろ紙・吸着剤・吸収液など形態ごとに抽出する点は正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | ろ過材を加熱乾燥するとダイオキシン類が失われるため、加熱乾燥後に抽出するとする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 吸着剤はソックスレー抽出または同等の方法で抽出する点は正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は熱を加えると揮散しやすく、乾燥の段階で高温にさらすと抽出する前に失われてしまいます。そのためろ過材(ろ紙)は加熱乾燥をせず、そのまま、あるいは常温で扱ってからソックスレー抽出などにかけます。この問題は「加熱乾燥後にソックスレー抽出を行う」と書いており、損失につながる余計な加熱を正しい手順のように見せている点が誤りです。吸着剤をソックスレー抽出で扱うこと自体(選択肢(5))は正しく、抽出方法ではなく「加熱乾燥」という前段の操作が狙われています。
覚え方
- ダイオキシン類は熱で逃げる。前処理でろ過材を加熱乾燥しない。
- 抽出はソックスレー抽出(またはこれと同等)が基本。
- 前処理=抽出+クリーンアップ。内標準物質を加えてから形態ごとに抽出。
理解度チェック
Q.
排ガスのろ過材は、抽出前に加熱乾燥してよい?
加熱乾燥しません。熱でダイオキシン類が揮散して失われるためです。
Q.
前処理を構成する2つの操作は?
抽出とクリーンアップです。抽出で溶媒に移し、クリーンアップで妨害成分を除きます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月