令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問21を解説|GC-MSの条件
令和7年度 ダイオキシン類特論 問21は、ダイオキシン類分析に用いるGC-MSの条件に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は超微量で、しかも多数の異性体が近い質量をもつため、高い分解能をもつ二重収束方式のMSと、複数のカラムを組み合わせて分離します。ここで問われる細かい規定のうち、引っかけの核心はロックマス方式で用いる物質です。ロックマスは質量軸を正しく合わせるための質量基準物質を使うもので、「検量線作成用標準試料を用いる」とする記述が誤りです。分解能やカラム併用の説明は正しく述べられています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 試料導入部をスプリットレスやオンカラム等で250~300℃で使う点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 2,3,7,8位異性体を単独に定量するため2種類以上のカラムを併用する点は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | MSに二重収束方式を用いる点は正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 分解能は10000以上、カラムの選択によっては12000程度が必要とする点は正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | ロックマス方式に用いるのは質量基準物質で、「検量線作成用標準試料」とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
SIM(選択イオンモニタリング)では、狙ったイオンだけを高い分解能で追い続けます。このとき質量軸がわずかにずれると別の質量を拾ってしまうため、ロックマス方式で常に基準となる質量に合わせ込みます。ここで基準に使うのは、既知の質量をもつ質量基準物質(校正用の物質)であって、濃度の検量に使う検量線作成用標準試料ではありません。この問題は、役割の異なる2つを取り違えさせる引っかけで、「検量線作成用標準試料を用いたロックマス方式」という組合せが誤りです。二重収束方式や分解能の値((3)(4))は正しく述べられています。
覚え方
- ロックマスは質量軸を合わせる基準物質。濃度を測る検量線用試料とは別物。
- MSは二重収束方式、分解能は10000以上。
- 2,3,7,8位異性体は1本のカラムで分けきれず、2種類以上を併用する。
理解度チェック
Q.
ロックマス方式で基準に使うのは何か?
質量基準物質です。質量軸を合わせるために用い、検量線作成用標準試料ではありません。
Q.
ダイオキシン類分析のMSに求められる分解能は?
10000以上です。カラムの選択によっては12000程度が必要になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月