令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問16を解説|排ガス試料採取装置の条件
令和7年度 ダイオキシン類特論 問16は、JIS K 0311が定める排ガス試料採取装置の満たすべき条件に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排ガス中のダイオキシン類を正しく量るには、煙道の流速に合わせた等速吸引で偏りなく採り、途中で目的物質を逃がさないことが求められます。装置の条件はこの「損失を防ぐ」という一点で貫かれています。引っかけの核心はフィルタ捕集部の温度で、温度を高くしすぎるとダイオキシン類がフィルタを素通りして失われるため、JISは上限を低く抑えています。示された温度上限が規定より高い値にすり替えられている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 排ガス流速に対し相対誤差-5~+10%の範囲で等速吸引ができる点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ダイオキシン類について十分な捕集率をもつことを条件とする点は正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | フィルタ捕集部の温度上限は120℃以下で、「200℃以下」とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 採取後から抽出操作までダイオキシン類の損失がない条件とする点は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | ダストによる汚染や採取中の大気混入がない条件とする点は正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は温度が高いとガス状に移りやすく、捕集部の温度が高すぎるとフィルタで捕まえきれずに後段へ抜けて損失します。そのためJIS K 0311では、フィルタ捕集部の温度を120℃以下に保つよう定めています。この問題は上限を「200℃以下」と高く書き換えており、実際の規定より緩い条件に見せている点が誤りです。等速吸引の許容誤差(-5~+10%)や、汚染・損失を防ぐという他の条件は正しく述べられているため、温度の数値だけを狙った引っかけといえます。
覚え方
- 排ガス採取装置の条件はすべて「損失させない」ためのもの。
- フィルタ捕集部の温度は120℃以下。高温だとガス状で素通り。
- 等速吸引の許容誤差は-5~+10%。数値の範囲はセットで暗記。
理解度チェック
Q.
JIS K 0311で定める排ガス採取のフィルタ捕集部の温度上限は?
120℃以下です。高温だとダイオキシン類がガス状で抜けて損失します。
Q.
等速吸引で許容される流速の相対誤差は?
-5~+10%の範囲です。この範囲で偏りなく採取します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月