令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問18を解説|JIS前処理の精製操作
令和6年度 ダイオキシン類特論 問18は、JIS K 0312:2020に定める試料前処理の精製(クリーンアップ)操作の名称と主な効果の組合せに関する問題です。組合せとして誤っているものを選びます。
この問題のポイント
前処理では、抽出液に含まれる妨害成分を段階的に取り除き、最後に測定対象のダイオキシン類だけを取り出します。各操作には役割分担があり、硫酸処理・シリカゲル・多層シリカゲル・アルミナは主に妨害成分の除去を担い、目的物であるPCDDs・PCDFs・DL-PCBsを分離精製するのは活性炭カラムです。引っかけの核心は、この「分離精製の役割」を別の操作に付け替えている点で、選択肢(5)がそれにあたります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 硫酸処理-シリカゲル操作は、マトリックスの分解除去や着色物質・多環芳香族炭化水素の除去を担います。正しい組合せです。 |
| (2) | ○(正しい) | 多層シリカゲル操作は、酸性物質・脂質・含硫黄化合物など幅広い妨害成分の除去に効きます。正しい組合せです。 |
| (3) | ○(正しい) | アルミナカラムは、低極性物質や有機塩素化合物の除去に用います。正しい組合せです。 |
| (4) | ○(正しい) | 活性炭カラムは、PCDDs・PCDFs・DL-PCBsの分離精製を担う操作です。正しい組合せです。 |
| (5) | ×(誤り) | DMSO処理操作の効果を「ダイオキシン類の分離精製」とする点が誤り。分離精製は活性炭カラムの役割です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
選択肢(5)は、DMSO(ジメチルスルホキシド)処理操作の主な効果をPCDDs及びPCDFs並びにDL-PCBsの分離精製としています。しかし、目的物であるダイオキシン類を選択的に分けとる分離精製の役割は活性炭カラム(選択肢(4))が担っており、DMSO処理の効果ではありません。DMSO処理は、他の操作と同様に妨害成分(多環芳香族炭化水素など)を除くための精製工程であって、目的物そのものを取り出す操作ではないのです。「除去(クリーンアップ)を担う操作」と「目的物を分離精製する操作」を取り違えさせるのが、この選択肢の引っかけです。
覚え方
- 妨害成分の除去=硫酸処理・シリカゲル・多層シリカゲル・アルミナ。
- 目的物(PCDDs・PCDFs・DL-PCBs)の分離精製は活性炭カラム。
- 「分離精製」という言葉が付いていたら活性炭カラムを疑う。
理解度チェック
PCDDs・PCDFs・DL-PCBsの分離精製を担う操作は?
活性炭カラムクロマトグラフ操作です。目的物を選択的に取り出します。
アルミナカラム操作の主な効果は?
低極性物質や有機塩素化合物の除去です。妨害成分を取り除く工程です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月