令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問23を解説|測定精度の管理
令和5年度 ダイオキシン類特論 問23は、ダイオキシン類の測定精度(品質)の管理に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は極微量を扱うため、装置や測定方法の検出下限・定量下限を定期的に確かめ、常に十分な感度を保つことが求められます。ここで押さえるべきは、評価したい濃度(基準値など)に対して、分析がどれだけ余裕をもって測れる必要があるかです。JISでは、得られた試料の定量下限を評価対象の濃度より十分小さく保つよう定めています。引っかけの核心はその倍率で、定量下限は評価濃度の1/10以下でなければならず、1/30とする記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 塩素数に応じて装置の検出下限を所定値以下に調節する、とする点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | GC-MSや測定条件を変えたときは装置の検出下限・定量下限を必ず確認する、とする点は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 測定方法の検出下限・定量下限を一定周期で確認し管理する、とする点は正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 試料の定量下限は評価濃度の1/10以下でなければならず、「1/30以下」とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | ピークが検出されなかったものはノイズ幅から検出下限を推定する、とする点は正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
測定は、判定したい濃度(基準値など)に対して十分な余裕がないと、わずかな超過や微量の存在を見逃してしまいます。そこでJISは、得られた試料の定量下限を、評価しなければならない濃度の1/10以下に保つよう求めています。選択肢(4)はこの倍率を1/30以下と、実際より厳しい値に書き換えています。数字が大きい(=より小さい下限を要求する)ほど正しく見えがちですが、規定値そのものが違えば誤りです。「定量下限は評価濃度の1/10以下」という数字をそのまま覚えておくのが確実です。
覚え方
- 試料の定量下限は評価濃度の1/10以下。1/30ではない。
- 装置・方法の検出下限/定量下限は、条件変更時と一定周期で確認する。
- ピーク未検出のものはノイズ幅から検出下限を推定する。
理解度チェック
試料の定量下限は、評価濃度の何分の1以下にする?
1/10以下です。評価したい濃度より十分に低い定量下限を保つことが求められます。
GC-MSや測定条件を変更したとき、確認すべきことは?
装置の検出下限と定量下限を必ず確認します。感度が変わる可能性があるためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月