令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問22を解説|TEQへの換算(JIS)
令和5年度 ダイオキシン類特論 問22は、JISに定めるダイオキシン類濃度のTEQ(毒性等量)への換算に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は異性体ごとに毒性が違うため、各異性体の濃度に毒性等価係数(TEF)を掛けて足し合わせ、まとめてTEQで表します。このとき問題になるのが、検出下限や定量下限を下回った微量成分をどう数えるかです。JISでは、指定の有無に応じて「検出下限未満はゼロにする」「検出下限の値や1/2を入れる」などの数え方を定めています。引っかけの核心は、定量下限未満で検出下限以上の(測れてはいる)濃度の扱いです。この範囲の値は実測値をそのまま使うのが原則で、定量下限の1/2に置き換えるとする記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 測定濃度にTEFを乗じてng-TEQ/m3として表示する、とする点は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 指定がある場合、検出下限未満のものは検出下限を用いて算出する、とする数え方は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 指定がある場合、検出下限未満のものは検出下限の1/2を用いる、とする数え方も正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 定量下限未満で検出下限以上の濃度は実測値をそのまま用います。「定量下限の1/2」に置き換えるとする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 特に指定がない場合、定量下限未満・検出下限未満のものはゼロとして算出する、とする点は正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
濃度は「定量下限以上」「定量下限未満だが検出下限以上」「検出下限未満」の3段階で扱いが変わります。このうち真ん中の定量下限未満で検出下限以上の値は、精度は落ちるものの確かに検出できている実測値なので、そのままTEQ計算に使うのが原則です。選択肢(4)は、この測れている値を定量下限の1/2という架空の値に置き換えてしまっており、そこが誤りです。「1/2に落とす」処理は、検出できていない(検出下限未満の)成分に対して行うものであって、検出できている成分に適用するものではありません。段階ごとの扱いを取り違えないことが要点です。
覚え方
- TEQ=各異性体の濃度×TEFの総和。毒性の重み付き合計。
- 検出できている値(検出下限以上)はそのまま使う。1/2に落とさない。
- 「1/2」や「ゼロ」に置くのは検出下限未満などの測れない成分の扱い。
理解度チェック
TEQはどうやって計算する?
各異性体の濃度にTEF(毒性等価係数)を掛けて足し合わせます。毒性の重み付き合計です。
定量下限未満で検出下限以上の濃度はどう扱う?
実測値をそのまま用います。検出できている値なので、1/2などに置き換えません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月