令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問21を解説|内標準物質の回収率の計算
令和5年度 ダイオキシン類特論 問21は、クリーンアップスパイク用内標準物質の回収率(%)を求める計算問題です。与えられたピーク面積・添加量・相対感度から回収率を選びます。
この問題のポイント
回収率は「はじめに加えた量に対して、最後まで残って測れた量がどれだけあったか」を表す割合です。分析では、前処理の前に加えるクリーンアップスパイクと、注入直前に加えるシリンジスパイクという2種類の内標準を使い、両者のピーク面積を比べてクリーンアップスパイクの回収率を求めます。引っかけの核心は、ピーク面積の比だけでなく、添加量の比と相対感度で補正する点です。感度が同じでない分をならしてから割合にします。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(80 %)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 60 %。計算上この値にはなりません。 |
| (2) | ×(誤り) | 70 %。計算上この値にはなりません。 |
| (3) | ○(正しい) | 面積比・添加量比・相対感度で補正すると約80 %。正しい値です。 |
| (4) | ×(誤り) | 90 %。相対感度や添加量比の補正を落とすと大きく出ます。 |
| (5) | ×(誤り) | 100 %。計算上この値にはなりません。 |
計算の手順
条件は、クリーンアップスパイクのピーク面積500000、対応するシリンジスパイクのピーク面積100000、シリンジスパイクの添加量500 pg、相対感度1.040、クリーンアップスパイクの添加量3000 pgです。回収率は次の式で求めます。
- 回収率(%)=(クリーンアップの面積 ÷ シリンジの面積)×(シリンジ添加量 ÷ クリーンアップ添加量)×(1 ÷ 相対感度)× 100。
- 面積比=500000 ÷ 100000=5。
- 添加量比=500 pg ÷ 3000 pg ≒ 0.167。
- 相対感度の補正=1 ÷ 1.040 ≒ 0.962。
- 回収率=5 × 0.167 × 0.962 × 100 ≒ 80 %。
よって回収率はおよそ80 %で、正解は選択肢(3)です。
覚え方
- 回収率=面積比×添加量比÷相対感度×100。面積比だけで決めない。
- クリーンアップスパイク=前処理前に添加/シリンジスパイク=注入直前に添加。
- 回収率は「加えた量に対して測れた割合」。100 %前後が理想。
理解度チェック
Q.
回収率の計算で面積比のほかに補正すべき2要素は?
添加量の比と相対感度です。この2つで補正してから割合にします。
Q.
クリーンアップスパイクとシリンジスパイクを加えるタイミングは?
クリーンアップスパイクは前処理の前、シリンジスパイクは注入の直前に加えます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月