令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問20を解説|排水試料の検出下限の計算
令和5年度 ダイオキシン類特論 問20は、排水試料における検出下限(pg/L)を求める計算問題です。与えられた条件から検出下限の濃度を選びます。
この問題のポイント
問18と同じく、GC-MSに注入した分で検出できる量(測定方法の検出下限)を出発点に、検液量と注入量の比、抽出液量と分取量の比をかけて試料に含まれる検出下限量(pg)を求め、最後に試料の採取量(L)で割って濃度にする流れです。今回は気体ではなく排水なので、割る量は体積の「L」です。引っかけの核心は、分取した分を全量に戻す倍率を落とさないことと、最後に採取量で割るのを忘れないことです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(0.08 pg/L)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 0.0002 pg/L。桁の取り違えで生じやすい値です。 |
| (2) | ×(誤り) | 0.01 pg/L。計算上この値にはなりません。 |
| (3) | ×(誤り) | 0.02 pg/L。分取倍率を落とすとこの付近に寄ります。 |
| (4) | ○(正しい) | 検出下限量2 pgを採取量25 Lで割ると0.08 pg/L。正しい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 0.1 pg/L。計算上この値にはなりません。 |
計算の手順
条件は、測定方法の検出下限0.04 pg、GC-MSへの注入量2μL、測定用試料の液量40μL、試料の採取量25 L、抽出液量100 mL、抽出液の分取量40 mLです。倍率を順にかけていきます。
- 測定用試料(40μL)全体の検出下限量=0.04 pg ×(40μL ÷ 2μL)=0.8 pg。
- 抽出液100 mLのうち40 mLしか使っていないので全量に戻す=0.8 pg ×(100 mL ÷ 40 mL)=2.0 pg。これが採取した排水に含まれる検出下限量です。
- 検出下限濃度=検出下限量 ÷ 採取量=2.0 pg ÷ 25 L=0.08 pg/L。
よって排水試料における検出下限は0.08 pg/Lで、正解は選択肢(4)です。
覚え方
- 検出下限濃度=装置検出下限×(試料液量/注入量)×(抽出液量/分取量)÷採取量。
- 気体は「÷m3」、排水は「÷L」。最後に割る量を取り違えない。
- 分取(40/100)は「使った分だけ」なので全量に戻す倍率100/40をかける。
理解度チェック
Q.
測定用試料40μLの検出下限量は?(注入量2μL、装置0.04pg)
0.8 pgです。0.04 pg×(40÷2)=0.8 pg と求めます。
Q.
検出下限量2.0 pg、採取量25 Lのときの検出下限濃度は?
0.08 pg/Lです。2.0 pg÷25 L=0.08 pg/L になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月