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令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問17を解説|測定分析方法と内標準物質

令和5年度 ダイオキシン類特論 問17は、ダイオキシン類の測定分析方法の全体像に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。

この問題のポイント

ダイオキシン類の分析は、試料採取→前処理(抽出・精製)→GC/MSによる分離定量、という流れで極微量の異性体を量る作業です。定量の精度を担保するため、あらかじめ量が分かっている内標準物質を加え、その回収の様子から補正します。この内標準物質は、対象と化学的にほぼ同じで質量だけがずれるよう安定同位体で標識したものを使います。引っかけの核心は、その標識に使う塩素同位体です。塩素で標識する場合に用いるのは天然存在比の低い37Clで、天然に多い35Clでは対象成分と質量が重なって区別できません。「35Clで標識」とする記述が誤りです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)ダイオキシン類分析は極微量成分の分離定量分析である、とする点は正しい記述です。
(2)○(正しい)試料採取の準備・採取・運搬・保管の流れを述べた点は正しい記述です。
(3)○(正しい)前処理で抽出と妨害成分からの分離精製を行う、とする点は正しい記述です。
(4)○(正しい)高分解能質量分析計でミリマスオーダーのイオン分離や同位体比評価を行う、とする点は正しい記述です。
(5)×(誤り)標識に用いるのは13Cまたは37Clです。「35Cl」とする点が誤りです。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

内標準物質は、測定対象と化学的な振る舞いはそっくりのまま、質量だけを少しずらしておき、質量分析計で対象と区別できるようにした物質です。この「質量のずれ」を作るのが安定同位体標識で、炭素なら通常より重い13C、塩素なら天然に少ない37Clを使います。一方の35Clは天然の塩素の大部分を占める主要同位体なので、これで標識しても対象成分と質量が重なってしまい、内標準としての目印になりません。下線部は、この標識用同位体を主要同位体である35Clと取り違えている点が誤りです。「重くて少ない側の同位体で標識する」という原則を押さえておきましょう。

覚え方

  • ダイオキシン内標準の標識は13Cまたは37Cl。天然に少ない重い同位体を使う。
  • 35Clは天然の主役=目印にならない。標識には不適。
  • 分析の骨格は「採取→前処理(抽出・精製)→高分解能GC/MS」。

理解度チェック

Q.

ダイオキシン分析の内標準物質は、何で標識する?

13Cまたは37Clです。天然に少ない重い安定同位体で標識し、対象と質量で区別します。

Q.

なぜ35Clでは内標準の標識にならない?

35Clは天然の塩素の大部分を占める主要同位体のため、対象成分と質量が重なり区別できないからです。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF