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令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問16を解説|カーバイド法アセチレン製造

令和5年度 ダイオキシン類特論 問16は、カーバイド法アセチレン製造プロセスと、そこでのダイオキシン類の生成に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。

この問題のポイント

カーバイド(炭化カルシウム)と水からアセチレンを発生させると、原料由来の不純物としてりん化水素や硫化水素などが混じるため、酸化洗浄塔・アルカリ洗浄塔・水洗塔といった湿式洗浄で取り除きます。ダイオキシン類は、発生工程で生じた前駆体(ダイオキシンの元になる化合物)が、洗浄薬品の次亜塩素酸ナトリウムと反応してできると考えられている点が着眼点です。引っかけの核心は、この最後の一文にある前駆体が洗浄工程で受ける反応の種類です。次亜塩素酸ナトリウムは塩素を与える薬剤なので、前駆体は塩素化されてダイオキシン類になります。これを「酸化されている」とする下線部が誤りです。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

下線部正誤解説
(1)○(正しい)発生したアセチレンガス中に、不純物としてりん化水素や硫化水素が含まれる点は正しい記述です。
(2)○(正しい)酸化洗浄塔・アルカリ洗浄塔・水洗塔からなる湿式洗浄装置を用いる点は正しい記述です。
(3)○(正しい)これらの湿式洗浄で不純物を洗浄除去する、とする流れは正しい記述です。
(4)○(正しい)アセチレン発生工程で何らかの前駆体が生成する、とする点は正しい記述です。
(5)×(誤り)次亜塩素酸ナトリウムは塩素を与える薬剤で、前駆体は塩素化されます。「酸化されている」とする点が誤りです。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

ダイオキシン類は、炭素骨格に塩素が付いた構造をもつ物質です。したがって、前駆体からダイオキシン類ができるには「塩素が付く反応=塩素化」が欠かせません。この工程で使う次亜塩素酸ナトリウムは、水中で有効塩素を放出する薬剤であり、前駆体に塩素を導入する塩素化剤として働きます。下線部は、この反応を単なる「酸化」と取り違えている点が誤りです。前半のプロセス(りん化水素・硫化水素の除去、湿式洗浄の構成、前駆体の生成)はいずれも正しく、目が向きにくい最後の反応の種類が引っかけの本命になっています。

覚え方

  • ダイオキシン生成の要は塩素化。塩素源(次亜塩素酸ナトリウム)とセットで覚える。
  • カーバイド法アセチレンの不純物=りん化水素・硫化水素。湿式洗浄で除去。
  • 下線部問題は「反応の種類(酸化/塩素化)」のすり替えを疑う。

理解度チェック

Q.

前駆体からダイオキシン類ができるのに欠かせない反応は?

塩素化です。炭素骨格に塩素が付くことでダイオキシン類の構造になります。

Q.

この洗浄工程で塩素を与える薬剤は?

次亜塩素酸ナトリウムです。水中で有効塩素を放出し、前駆体を塩素化します。

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF