令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問18を解説|試料ガス採取量の計算
令和5年度 ダイオキシン類特論 問18は、試料ガスにおける検出下限から必要な採取量を求める計算問題です。目標とする検出下限を得るのに必要な標準状態の試料ガス採取量(m3)を選びます。
この問題のポイント
この種の計算は、GC-MSに注入した1μLで検出できる量(測定方法の検出下限)を出発点に、希釈・分取でかけた倍率を順にさかのぼって「試料ガス全体でどれだけの量が検出下限に相当するか」を求める作業です。最終検液量と注入量の比、抽出液量と分取量の比を順にかけると、試料ガス中の検出下限量(pg)が決まります。あとはこれを目標の検出下限濃度で割れば採取量が出ます。引っかけの核心は、単位をpgとngでそろえることと、分取した分は全体の一部だから倍率をかけて全量に戻すことの2点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(4 m3)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1 m3。倍率のかけ落としがあると小さく出ます。 |
| (2) | ×(誤り) | 2 m3。分取の倍率(100/50)を落とすとこの値になりがちです。 |
| (3) | ×(誤り) | 3 m3。計算上この値にはなりません。 |
| (4) | ○(正しい) | 検出下限量4 pgを目標濃度1 pg/m3で割ると4 m3。正しい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 5 m3。計算上この値にはなりません。 |
計算の手順
与えられた条件は、測定方法の検出下限0.04 pg(注入量1μL基準)、最終検液量50μL、GC-MS注入量1μL、抽出液量100 mLのうち50 mLを分取、目標の試料ガス検出下限0.001 ng/m3です。まず単位をそろえます。0.001 ng=1 pgなので、目標濃度は1 pg/m3です。
- 最終検液(50μL)全体の検出下限量=0.04 pg ×(50μL ÷ 1μL)=2 pg。
- 抽出液100 mLのうち50 mLしか使っていないので全量に戻す=2 pg ×(100 mL ÷ 50 mL)=4 pg。これが試料ガス採取分に含まれる検出下限量です。
- 採取量 V = 検出下限量 ÷ 目標濃度 = 4 pg ÷ 1 pg/m3 = 4 m3。
よって必要な試料ガス採取量は4 m3で、正解は選択肢(4)です。
覚え方
- 検出下限量=装置検出下限×(検液量/注入量)×(抽出液量/分取量)。
- 採取量=検出下限量÷目標濃度。まずng→pgで単位をそろえる。
- 「分取したら倍率で全量に戻す」。ここを落とすと答えが小さく出る。
理解度チェック
Q.
0.001 ng は何 pg?
1 pgです。1 ng=1000 pg なので、0.001 ng=1 pg になります。
Q.
抽出液100 mLのうち50 mLを分取したとき、全量に戻す倍率は?
100/50=2倍です。使ったのは半分なので、2倍して全抽出液分の量にそろえます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月