令和4年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問17を解説|前処理のカラム精製
令和4年度 ダイオキシン類特論 問17は、ダイオキシン類の測定分析における試料の前処理操作に関する問題です。誤っている記述を選びます。
この問題のポイント
前処理では、抽出液に含まれる妨害物質を各種のカラムクロマトグラフで段階的に取り除きます。どの精製操作がどの妨害物質を狙うかを結び付けるのがこの問題の骨格です。硫酸処理を伴うシリカゲルは着色物質や多環芳香族炭化水素を、多層シリカゲルはフェノール類・酸性物質・脂質を、活性炭カラムは平面構造のダイオキシン類やコプラナーPCBを分けるのに使います。分かれ目はアルミナカラムの役割で、これは高極性の妨害物質の除去やダイオキシン類の分画に用いる操作です。選択肢(3)はこの役割に合わない対象を挙げている点が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 硫酸処理シリカゲルは、着色物質や多環芳香族炭化水素の除去に有効です。 |
| (2) | ○(正しい) | 多層シリカゲルは、フェノール類・酸性物質・脂質の除去に有効です。 |
| (3) | ×(誤り) | アルミナカラムは高極性の妨害物質の除去や分画に用いる操作で、無機塩素化合物の除去という役割付けは合いません。 |
| (4) | ○(正しい) | 活性炭カラムは、PCDDs・PCDFsやコプラナーPCBの分離精製に有効です。 |
| (5) | ○(正しい) | 油分が多い試料では、ジメチルスルホキシド分配処理を精製に加えられます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
アルミナカラムクロマトグラフは、極性の高い妨害物質を取り除いたり、ダイオキシン類を目的の画分に分けたりするための操作です。選択肢(3)は、その対象として「無機塩素化合物の除去」を挙げていますが、これはアルミナカラムの役割の説明として当てはまりません。各カラムは「着色物質・多環芳香族=硫酸シリカ」「フェノール・酸性・脂質=多層シリカ」「平面構造のダイオキシン類・コプラナーPCB=活性炭」というように狙う妨害物質が決まっており、対象と操作の組合せをずらした記述が誤りになります。
覚え方
- 硫酸シリカ=着色・多環芳香族、多層シリカ=フェノール・酸性・脂質。
- 活性炭カラム=平面構造のダイオキシン類・コプラナーPCBの分離精製。
- アルミナ=高極性妨害物質の除去・分画。対象と操作の組合せをずらすと誤り。
理解度チェック
平面構造のダイオキシン類やコプラナーPCBの分離精製に使うカラムは?
活性炭カラムです。平面性の高い分子を選択的に保持して分けます。
着色物質や多環芳香族炭化水素の除去に効くのは?
硫酸処理シリカゲルです。多層シリカゲルはフェノール類・酸性物質・脂質を狙います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月