令和4年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問18を解説|試料の抽出操作
令和4年度 ダイオキシン類特論 問18は、ダイオキシン類の測定分析における試料の抽出操作に関する問題です。誤っている記述を選びます。
この問題のポイント
抽出は、試料の形態に応じて方法を変えます。ろ過材・吸着剤などの固体はソックスレー抽出、水などの液体は溶媒による液液抽出や固相抽出で目的物質を取り出します。分かれ目は、液体捕集部を液液抽出するときの溶媒量です。液液抽出は、対象となる溶液の量に見合うだけの溶媒を加えて振り混ぜ、溶けているダイオキシン類を溶媒側へ移す操作です。選択肢(3)は、約1Lの溶液に対して溶媒をごくわずかしか加えないとしており、これでは十分に抽出できないため誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 排ガス試料のフィルタ捕集部は、酸処理を行ってから抽出に進みます。 |
| (2) | ○(正しい) | ろ過材・吸着剤などの固体は、ソックスレー抽出や同等法で抽出します。 |
| (3) | ×(誤り) | 約1Lの溶液に対し溶媒がごく少量では液液抽出が不十分で、溶液量に見合う溶媒が必要です。 |
| (4) | ○(正しい) | 破過通水量が未確認の試料は、固相1枚あたりの通水量を5L以下に抑えます。 |
| (5) | ○(正しい) | 分散型固相吸着‒凝縮法では、内標準を加えた試料のpHを凝集が起こる範囲に調整します。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
液液抽出は、水溶液に溶けているダイオキシン類を、水に混ざらない有機溶媒(トルエンやジクロロメタン)へ移し取る操作です。移動する量は、加える溶媒の量に大きく左右されます。約1Lという多量の溶液に対して溶媒をごくわずかしか加えないと、溶媒側に移る割合が小さく、目的物質を十分に回収できません。実際の方法では、溶液の量に見合うだけの溶媒を加えて振とうします。選択肢(3)は溶媒の割合が過小である点が誤りで、振とうの幅や回数の数値そのものが要点ではありません。
覚え方
- 固体=ソックスレー抽出、液体=液液抽出/固相抽出。
- 液液抽出は溶液量に見合う溶媒が必要(溶媒が少なすぎると回収不足)。
- 固相抽出は破過に注意し、未確認なら1枚あたり通水量を5L以下に。
理解度チェック
Q.
ろ過材や吸着剤など固体からの抽出に用いる方法は?
ソックスレー抽出(またはこれと同等の方法)です。
Q.
液液抽出で溶媒が溶液量に対して少なすぎると何が起きる?
溶媒側へ移る割合が小さく、目的物質の回収が不十分になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月