令和4年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問16を解説|塩化ビニルモノマー製造
令和4年度 ダイオキシン類特論 問16は、二塩化エチレン/塩化ビニルモノマー製造プロセスに関する問題です。下線を付した記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
塩化ビニルモノマー(VCM)は、エチレンと塩素から二塩化エチレン(EDC)をつくり、これを熱分解してつくるのが一般的です。多くのプラントでは、エチレンに塩化水素と酸素(空気)を反応させてEDCを得る酸化塩素化工程を併設し、熱分解で出た塩化水素を再利用します。引っかけの核心は工程ごとの温度です。酸化塩素化はおよそ200~250℃程度の比較的低温で進み、470~510℃という高温はEDCを分解してVCMにする熱分解側の温度です。この温度を酸化塩素化工程に当てはめた記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | エチレンと塩素の反応(直接塩素化)で二塩化エチレンを得ます。 |
| (2) | ○(正しい) | 二塩化エチレンを熱分解して塩化ビニルモノマーを製造します。 |
| (3) | ○(正しい) | エチレン+塩化水素+酸素の酸化塩素化工程が併設されます。 |
| (4) | ×(誤り) | 470~510℃は熱分解側の温度で、酸化塩素化工程はこれより低温で行われます。 |
| (5) | ○(正しい) | 酸化塩素化の触媒には通常、塩化銅が用いられます。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
このプロセスには温度の異なる二つの反応があります。エチレンに塩化水素と酸素を反応させる酸化塩素化工程は、塩化銅触媒を用いておよそ200~250℃程度の比較的低温で進みます。一方、二塩化エチレンをVCMに変える熱分解は約500℃前後の高温で行われます。選択肢(4)は、この高温側の値である「470~510℃」を酸化塩素化工程の温度として当てはめており、二つの工程の温度を取り違えた点が誤りです。塩化銅を触媒とする点(選択肢(5))は正しく、温度の帰属だけが入れ替わっているのが引っかけです。
覚え方
- VCMはEDCを熱分解して製造(約500℃の高温側)。
- 酸化塩素化=エチレン+塩化水素+酸素、塩化銅触媒、より低温側。
- 高温(約500℃)は熱分解、低温側は酸化塩素化。温度の帰属に注意。
理解度チェック
470~510℃という高温はどちらの工程の温度か?
二塩化エチレンをVCMにする熱分解側の温度です。酸化塩素化はこれより低温です。
酸化塩素化工程で使う触媒は?
通常は塩化銅です。エチレン・塩化水素・酸素からEDCを得ます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月