令和3年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問3を解説|触媒によるダイオキシン類の分解
令和3年度 ダイオキシン類特論 問3は、触媒によるダイオキシン類の分解に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の触媒分解は、脱硝(SCR)と同系のバナジウム・チタン系触媒などを用い、排ガス中の酸素の存在下でダイオキシン類を酸化分解して二酸化炭素・水・塩化水素などに変える処理です。触媒は集じん装置の後流に置いてダスト付着を避け、酸性硫酸アンモニウムの析出による細孔閉塞・性能低下を防ぐため一定温度以上で運転します。引っかけの核心は反応の向き。ダイオキシン類は触媒表面で還元されるのではなく酸化されるので、「還元分解」とした下線部が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説(下線部の内容) |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 触媒に金属または金属酸化物を用いる点は正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 触媒表面での反応は酸化分解で、「還元分解」は向きが逆です。 |
| (3) | ○(正しい) | 触媒を集じん装置の後流に設置する配置は正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 酸性硫酸アンモニウムの析出による性能低下を防ぐ点は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | その析出を避けるため一定温度以上で運転する点は正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
選択肢(2)は、ダイオキシン類が触媒表面で「還元分解される」とした点が誤りです。触媒分解では、吸着したダイオキシン類が排ガス中の酸素と反応して酸化分解され、二酸化炭素・水・塩化水素などの無害な物質に変わります。分解の向きは還元ではなく酸化です。低温では酸性硫酸アンモニウムが触媒の細孔に析出して性能が落ちるため、一定温度以上で運転してこれを防ぎます。触媒を集じん装置の後流に置くのは、ダストによる触媒の目詰まりや被毒を避けるためです。
覚え方
- 触媒分解はダイオキシン類の酸化分解(脱硝と同系の触媒)。
- 還元ではなく酸化。生成物はCO2・H2O・HClなど。
- 低温運転は酸性硫酸アンモニウム析出で性能低下→一定温度以上で運転。
理解度チェック
Q.
触媒表面でのダイオキシン類の分解は、酸化・還元のどちら?
酸化分解です。酸素の存在下でCO2・H2O・HClなどに分解されます。
Q.
触媒を一定温度以上で運転するのはなぜ?
低温で酸性硫酸アンモニウムが析出して性能が低下するのを防ぐためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月