ダイオキシンって、水に溶けるの?溶けないの?で迷いませんか。「水に溶けにくく、脂に溶ける」を軸にすると、環境中での動きまでつながって整理できます。
この記事の要点
ダイオキシン類の性質は、「水に溶けにくく、脂に溶ける」「分解されにくい」がカギです。
ダイオキシン類が環境中でどう動くか(生物の脂肪にたまるなど)を理解するには、まず物質としての性質を押さえます。
ダイオキシン類は、水には非常に溶けにくく(疎水性)、アルコールや有機溶媒、脂肪には溶けます(脂溶性)。
この「水ぎらい・脂好き」の性質のため、ダイオキシン類は生物の体内では脂肪にたまりやすく、食物連鎖を通じて濃くなっていきます(生物濃縮)。常温では無色の固体(結晶)で、蒸気圧は低く、揮発しにくい物質です。
ダイオキシン類は化学的に安定で、分解されにくい(難分解性)性質をもちます。このため、いったん環境に出ると長く残り続けます。
オクタノール/水分配係数(Kow)は、物質が「水」と「油(オクタノール)」のどちらに移りやすいかを表す値です。
Kowが大きいほど、油の側に移りやすい=疎水性(脂溶性)が強いことを意味します。ダイオキシン類はKowが大きく、脂に移りやすい物質です。
Kowが大きいダイオキシン類は油(脂)の側に移りやすく、疎水性が強い。
物理化学的性質は、ダイオキシン類概論で、正誤の判定として問われます。
令和7年度のダイオキシン類概論(問9)では、「常温で無色の結晶」「水に非常に溶けにくく有機溶媒には溶ける」などが正しい記述として並ぶなかで、「Kowの値が小さいダイオキシン類ほど疎水性が強い」とするのが誤りでした。正しくは、Kowが大きいほど疎水性が強いです。
混同しやすい用語
Kowが大きい と 小さい
疎水性の強さが逆になります。
Kowは「油への移りやすさ」なので、大きいほど疎水性(脂溶性)が強く、小さいほど水になじみやすい(親水性寄り)です。
「Kow=油/水。大きい=油側=疎水性」と、分子に油(オクタノール)が来ることで覚えます。
オクタノール/水分配係数(Kow)が大きいほど、疎水性は強いか・弱いか。
答え:強い
Kowが大きいほど油(オクタノール)の側に移りやすく、疎水性(脂溶性)が強くなります。
ダイオキシン類は水に溶けやすいか・溶けにくいか。
答え:非常に溶けにくい(疎水性)
一方で有機溶媒や脂肪には溶けます(脂溶性)。難分解性で環境中に残ります。
ダイオキシン類の性質は、「水ぎらい・脂好き・分解されにくい」で整理できます。
水に非常に溶けにくく(疎水性)、有機溶媒や脂肪に溶け(脂溶性)、難分解性で環境中に残ります。Kowが大きいほど疎水性が強い物質です。
「Kowが大きい=疎水性が強い」という向きを、取り違えないようにします。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
Kowと疎水性の関係が、大小を入れ替えて問われます。
Kowが大きいほど疎水性が強いです。「小さいほど疎水性が強い」とあれば誤りです。あわせて「水に溶けにくく脂に溶ける・難分解性」というダイオキシン類の基本性質を押さえます。