令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・粉じん特論 問2を解説|集じん装置の選定
令和2年度 ばいじん・粉じん特論 問2は、集じん装置を選ぶときの考え方に関する正誤問題です。火災防止・凝集による前処理・乾式装置の温度条件・洗浄集じん・電気集じんの逆電離といった観点のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
集じん装置の選定は、排ガスの性状(可燃性・温度・湿り・ダストの電気抵抗率)に合わせて、方式や前処理を組み合わせる話です。乾式装置は結露を避けて酸露点より高い温度で使う、電気抵抗率が高いダストは逆電離に注意する、といった各方式の弱点が問われます。分かれ目は洗浄(湿式)集じん装置で、処理ガス温度が集じん率に影響しないかどうかという向きの取り違えです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 燃えやすいダストは、一次装置でまず捕集して系内にたまる量を減らし、火災や粉じん爆発を防ぐ考え方は妥当です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 微細ダストは捕集しにくいため、一次装置で凝集・成長させて見かけの粒子径を大きくし、後段で捕まえやすくする手法があります。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 乾式装置は結露で目詰まりや腐食を起こさないよう、酸露点を十分に上回る温度で使います。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 洗浄集じん装置でも処理ガス温度は集じん率に影響します。温度で水の蒸発量やダストの湿り、凝縮の程度が変わるためで、「影響しない」は誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 見掛け電気抵抗率が高いダストは、堆積層で放電(逆電離)を起こしやすく、乾式電気集じん装置では留意が必要です。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
洗浄(湿式)集じん装置は、水などの液滴でダストを捕らえる方式です。ここで処理ガス温度が高いと、噴霧した水が蒸発して液滴が減り、粒子と液滴が出会う機会が少なくなります。逆に温度が下がると水蒸気が凝縮し、粒子表面が湿って捕集されやすくなります。つまり温度は液ガスの状態を通じて集じん率を左右するため、選択肢(4)の「処理ガス温度は集じん率に影響しない」は誤りです。「湿式だから温度に関係ない」と早合点しないことが分かれ目です。
覚え方
- 湿式でも温度は集じん率に影響する(蒸発・凝縮で液滴とダストの状態が変わる)。
- 乾式は酸露点より高い温度で使う(結露=目詰まり・腐食)。
- 可燃ダストは一次装置で先取り、微細ダストは凝集・成長で捕集を助ける。
理解度チェック
Q.
洗浄集じん装置の集じん率は、処理ガス温度に影響される?されない?
影響されます。温度で水の蒸発量や凝縮の程度が変わり、液滴とダストの捕集条件が変化するためです。
Q.
乾式集じん装置を酸露点より十分高い温度で使うのはなぜ?
結露を防ぐためです。露点を下回ると水分や酸分が凝縮し、目詰まりや装置の腐食を招きます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月