電気集じん装置はダストに電気を帯びさせて集めるけど、その「帯びさせ方」に2種類あるって知っていましたか。電界荷電と拡散荷電は、効く粒子の大きさが違います。整理します。
この記事の要点
電気集じん装置は、ダストにイオンを付けて電気を帯びさせ(荷電)、電極に集めます。荷電のしかたは2種類で、効く粒子の大きさが違います。
電気集じん装置は、放電でイオンをつくり、それをダスト粒子に付けて電気を帯びさせ(荷電)、帯電した粒子を集じん電極へ引き寄せて集めます。
この「荷電」には、しくみの違う2つの方式があり、それぞれ得意な粒子の大きさが違います。
電界荷電とは、電界(電気力線)に沿って運ばれたイオンが粒子に付着して帯電するしくみで、帯電量は粒子径の2乗に比例します。
粒子径の2乗で効くため、大きい粒子ほどよく帯電します。比較的大きな粒子の荷電は、主にこの電界荷電によります。
拡散荷電とは、イオンの熱運動(拡散)によって粒子にぶつかって帯電するしくみで、帯電量は粒子径に比例します。
電界に頼らずイオンの動き回りで帯電するため、電界荷電が効きにくい小さい粒子の荷電は、主にこの拡散荷電が受け持ちます。
電界荷電は帯電量が粒子径の2乗に比例(大粒子に効く)、拡散荷電は粒子径に比例(小粒子に効く)。
電気集じんでは、ダストの見掛け電気抵抗率がほどよい範囲にあることが大切です。
ダストの見掛け電気抵抗率が異常に高いと、集じん電極に積もったダスト層の中で逆電離(逆コロナ)が起こります。
逆電離が起こると、ダスト層から逆向きのイオンが出て、せっかく帯電させた粒子の荷電を乱し、集じん性能が落ちてしまいます。電気抵抗率が高いダストは、電気集じんが苦手な相手だといえます。
荷電のしくみは、ばいじん・粉じん特論で、電界荷電・拡散荷電と粒子径の関係として問われます。
令和7年度のばいじん・粉じん特論(問5)では、「電界荷電による帯電量は粒子径の2乗に比例」「拡散荷電による帯電量は粒子径に比例」「電界荷電による帯電量は電界強度に比例」が正しい記述として並びました。問6では、見掛け電気抵抗率が異常に高い場合の逆電離も問われています。
混同しやすい用語
電界荷電 と 拡散荷電
どちらも粒子に電気を帯びさせるしくみですが、効く粒子の大きさと、粒子径への比例のしかたが違います。
電界荷電は粒子径の2乗に比例(大きい粒子に効く)、拡散荷電は粒子径に比例(小さい粒子に効く)です。
「電界=2乗=大粒子」「拡散=1乗=小粒子」とセットで覚えると、比例のしかたを取り違えません。
電界荷電と拡散荷電は、帯電量がそれぞれ粒子径の何に比例し、どちらの大きさの粒子に効くか。
答え:電界荷電=粒子径の2乗に比例(大きい粒子)、拡散荷電=粒子径に比例(小さい粒子)
大きい粒子は電界荷電、小さい粒子は拡散荷電が主に受け持ちます。
ダストの見掛け電気抵抗率が異常に高いと、何が起こって集じん性能が落ちるか。
答え:逆電離(逆コロナ)
集じん電極上のダスト層内で逆電離が起こり、粒子の荷電が乱れて集じんしにくくなります。
電気集じんの荷電には、電界荷電と拡散荷電の2つがあります。
電界荷電は帯電量が粒子径の2乗に比例して大きい粒子に、拡散荷電は粒子径に比例して小さい粒子に効きます。
ダストの見掛け電気抵抗率が高すぎると逆電離が起こり集じんが落ちる、という点もあわせて押さえておきます。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
帯電量が粒子径の「何乗」に比例するかを入れ替えるのが狙いです。
電界荷電は粒子径の2乗に比例(大粒子に効く)、拡散荷電は粒子径に比例(小粒子に効く)です。指数(2乗か1乗か)と効く粒子の大小をセットで押さえます。見掛け電気抵抗率が高すぎると逆電離が起こる点も要注意です。