排出したCO₂は全部が大気にたまるの?陸や海はどれくらい吸ってくれているの?で気になりませんか。炭素の収支と吸収源(シンク)を整理します。
この記事の要点
人間活動で出た二酸化炭素(CO₂)は、すべてが大気にたまるわけではありません。一部を陸(植物・土壌)や海が吸収します(吸収源=シンク)。
IPCC第6次評価報告書(AR6)では、人間活動による年平均約109億トン-炭素の排出のうち、陸上生物圏が約34、海洋が約25(億トン-炭素)を吸収し、残りの約50が大気にたまる、と推定しています。
出した二酸化炭素は、地球の中をめぐっています。
一部は植物や海に吸収され、残りが大気にたまって地球を暖めます。
この出入り(炭素収支)と吸収源を見ていきます。
炭素循環とは、炭素(二酸化炭素など)が大気・陸・海の間を行き来する流れのことです。
人間が化石燃料を燃やすと、大気へ二酸化炭素が出ます(排出)。
その一部は、植物の光合成や土壌(陸上生物圏)、そして海に吸収されます。この吸収するはたらき・場所を吸収源(シンク)といいます。
吸収しきれずに大気に残った分が、大気中の二酸化炭素濃度を上げ、地球温暖化を進めます。
IPCC第6次評価報告書(AR6)による、2010〜2019年の年平均の炭素収支を表にまとめます(単位:億トン-炭素)。
| 区分 | 年平均(億トン-炭素) |
|---|---|
| 人間活動による排出 | 約109 |
| 陸上生物圏が吸収 | 約34 |
| 海洋が吸収 | 約25 |
| 大気中に蓄積(残り) | 約50 |
つまり、排出109 = 陸34 + 海25 + 大気蓄積50という関係です。陸と海の吸収(合計59)が、排出のおよそ半分を引き受けています。
排出109のうち、陸34・海25が吸収(シンク)。残り約50が大気に蓄積して温暖化を進める。
大気中の二酸化炭素を増やさないためには、排出を吸収(と除去)でちょうど打ち消す必要があります。
排出量と吸収量を均衡させ、大気に残る量を実質ゼロにすることをカーボンニュートラルといいます。
いまは排出が吸収を大きく上回り、毎年約50億トン-炭素が大気にたまり続けているため、排出の削減と吸収源の保全・強化が課題です。
炭素収支は、大気概論で、陸と海の吸収量の数値として問われます。
令和6年度 大気概論 問7では、IPCC AR6の炭素収支で、陸上生物圏が約34、海洋が約25(億トン-炭素)を吸収する、という数値の組合せが問われました。
「排出109=陸34+海25+大気蓄積50」という関係で覚えておくと、数値の入れ替えに気づけます。
排出された二酸化炭素を吸収する、陸と海のはたらき・場所を何というか。
答え:吸収源(シンク)
植物・土壌(陸上生物圏)や海が二酸化炭素を吸収します。吸収しきれない分が大気にたまります。
IPCC AR6で、陸上生物圏と海洋の年間CO₂吸収量は、それぞれ約何億トン-炭素か。
答え:陸上生物圏 約34、海洋 約25(億トン-炭素)
人間活動の排出約109のうち、約59を陸と海が吸収し、残り約50が大気に蓄積します。
排出量と吸収量を均衡させ、大気に残る二酸化炭素を実質ゼロにすることを何というか。
答え:カーボンニュートラル
排出の削減と、吸収源(シンク)の保全・強化の両方が必要です。
排出された二酸化炭素は、一部が陸(植物・土壌)や海に吸収され(シンク)、残りが大気にたまります。
IPCC AR6では、人間活動の排出約109億トン-炭素のうち、陸上生物圏が約34、海洋が約25を吸収し、残り約50が大気に蓄積するとされます。
陸34・海25という数値と、カーボンニュートラル(排出と吸収の均衡)を押さえておきましょう。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
陸と海の吸収量の数値の組合せが狙われます。
IPCC AR6の炭素収支では、陸上生物圏が約34、海洋が約25(億トン-炭素)を吸収します。この数値の組合せが令和6年度 大気概論 問7で問われました。