CFC・HCFC・HFCと似た名前が並んで、どれがオゾン層を壊すのか・どれが温暖化に効くのかで混乱しませんか。フロンの種類と代替の流れを整理します。
この記事の要点
オゾン層は、太陽からの有害な紫外線を吸収してくれる大切な層です。これを壊すのがフロン(CFC)で、分解して出す塩素がオゾンを連鎖的に壊します。
モントリオール議定書でCFCは全廃され、代替のHCFC、さらにHFCへと移りました。HFCはオゾン層を壊しませんが、強力な温室効果ガスです(GWPが大きい)。
フロンは、冷蔵庫やエアコンの冷媒、スプレーなどに使われてきた便利な物質です。
しかし、オゾン層を壊すことがわかり、国際的に規制されてきました。
種類と、規制による代替の流れを見ていきます。
オゾン層とは、地上から十数〜数十kmの上空(成層圏)にあり、太陽からの有害な紫外線を吸収する、オゾン(O₃)の多い層です。
フロン(CFC=クロロフルオロカーボン)は安定で、地表では分解されずに成層圏まで上がります。
そこで強い紫外線を受けて分解し、塩素を放出します。
この塩素がオゾンを次々と壊すため、オゾン層が薄くなり(オゾンホール)、地上に届く有害な紫外線が増えます。
フロンは、オゾン層への影響の違いから、段階的に置き換えられてきました。
CFC(特定フロン)は塩素を多く含み、オゾン層を強く破壊します。モントリオール議定書により全廃されました。
HCFCは、塩素が少なく、オゾン層を壊す力(オゾン層破壊係数)が小さい物質で、CFCからの過渡的な代替として使われました(こちらも段階的に廃止)。
HFC(代替フロン)は、塩素を含まずオゾン層を壊しません。しかし、強力な温室効果ガスであるため、地球温暖化の面で問題になります。
そのため、HFCも削減の対象になりました(モントリオール議定書のキガリ改正)。
CFC(破壊大・全廃)→ HCFC(破壊小・過渡的)→ HFC(破壊なし・但し強い温室効果)。HFCもキガリ改正で削減対象。
規制を受けて、大気中の濃度にも変化が出ています。
CFC類や四塩化炭素、1,1,1-トリクロロエタンなどのオゾン層破壊物質は、規制によって大気中濃度が減少しています。
一方、代替フロンのHFC-134aは、冷媒などとして使用が拡大し、大気中濃度が増加しています。
フロンは、大気概論で、大気中濃度が増加・減少した物質として問われます。
令和6年度 大気概論 問6では、2000年以降に大気中濃度が増加したハロカーボン類が問われ、答えはHFC-134a(代替フロン)でした。CFC-11・CFC-113・四塩化炭素などは規制で減少しています。
「CFC=オゾン層破壊・規制で減少」「HFC=代替フロン・オゾン層は壊さないが温室効果大・増加」を押さえておきます。
フロン(CFC)がオゾン層を破壊するのは、分解して何を放出するからか。
答え:塩素
成層圏で紫外線により分解して出た塩素が、オゾンを連鎖的に壊します。
代替フロンのHFCは、オゾン層を壊すか。また、別のどんな問題があるか。
答え:オゾン層は壊さない。ただし強力な温室効果ガス(GWPが大きい)。
このためHFCもキガリ改正で削減の対象になりました。
2000年以降に大気中濃度が増加したハロカーボン類は何か。
答え:HFC-134a
代替フロンとして使用が拡大しました。CFC類や四塩化炭素は規制で減少しています。令和6年度 大気概論 問6の論点です。
オゾン層は有害な紫外線を吸収する層で、フロン(CFC)が出す塩素がこれを破壊します。
モントリオール議定書でCFCは全廃され、HCFC、さらにHFCへと代替が進みました。HFCはオゾン層を壊しませんが、強力な温室効果ガスです。
大気中濃度はCFC類が減少、代替フロンのHFC-134aは増加しています。種類と役割を取り違えないようにしましょう。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
近年に大気中濃度が増えた物質と減った物質の区別が狙われます。
2000年以降に大気中濃度が増加したのはHFC-134a(代替フロン)で、CFC-11・CFC-113・四塩化炭素などは規制で減少しています。令和6年度 大気概論 問6で問われました。