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環境政策の手法の違い(規制的手法・経済的手法・自主的手法・情報的手法)

エコまる

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規制的手法とか経済的手法とか、どれがどう環境を守る方法なの?

環境政策の手法とは、環境を守るという目的を実現するために国が使う、政策の動かし方の型です。

大きく分けて、規制的手法経済的手法自主的手法情報的手法の4つがあります。

これらは、環境基本法が掲げる施策を、現場で実際に動かすための手立てにあたります。

環境政策の手法は4つに分けられる

4つの手法は、誰が・どうやって環境負荷を減らすかという「動かし方」で分かれます。

規制的手法は、国が法令で基準や行為を直接決めて守らせます。

経済的手法は、税やお金のしくみで得・損をつくり、自分から減らしたくなるよう誘導します。

自主的手法は、事業者が自ら目標を立てて取り組みます。

情報的手法は、環境の情報を開示して、消費者や投資家の選択を通じて事業者を動かします。

環境政策の4つの手法 規制的手法 法令で基準・行為を 直接決めて守らせる 例:排出基準・許認可 経済的手法 税・補助金などで 得・損をつくり誘導 例:環境税・排出量取引 自主的手法 事業者が自ら目標を 立てて取り組む 例:環境行動計画・協定 情報的手法 環境情報を開示して 選択を通じて促す 例:PRTR・環境ラベル

同じ「環境を守る」目的でも、直接決めるか・誘導するか・任せるか・情報で促すかで4つに分かれる。

4つの手法の違い(しくみ・例・長所と短所)

4つの手法を、しくみ・代表例・長所と短所で並べます。

手法 しくみ 代表例 長所 短所
規制的手法 法令で基準や行為を直接決め、統制的に守らせる 排出基準・排水基準・総量規制・許認可 最低限の水準を一律・確実に担保できる 基準を超えて改善する誘因が働きにくい
経済的手法 税やお金のしくみで経済的な誘因を与えて誘導する 環境税・課徴金・補助金・排出量取引・デポジット 市場を通じて費用を抑えて削減でき、減らすほど得になる 効果が読みにくく、税率などの水準設定が難しい
自主的手法 事業者が自ら努力目標を設けて対策を実施する 環境行動計画・自主的取組・公害防止協定 柔軟で、技術革新を促しやすい 法的な強制力がなく、達成の担保が弱い
情報的手法 環境情報を開示・提供し、各主体の環境配慮行動を促す PRTR・環境ラベル・環境報告書・環境会計・LCA 消費者や投資家の選択を通じて幅広い主体を巻き込める 効果が間接的で、時間がかかりやすい

経済的手法の排出量取引は、排出枠を取引させて全体の削減費用を抑えるしくみで、税や補助金と並ぶ代表例です。

情報的手法の代表が、化学物質の排出量・移動量を把握して公表するPRTRです。製品の環境負荷を一生分で評価するライフサイクルアセスメント(LCA)も、情報を示して選択を促すこの手法に位置づけられます。

なお、分類によっては、意思決定の過程に環境配慮の判断を組み込む手続的手法を5つ目に挙げます。環境影響評価(環境アセスメント)がその代表です。

なぜ手法を組み合わせるのか

1つの手法だけでは、長所と短所がそのまま残ります。

規制的手法だけだと、基準は守られても、それ以上は減りにくくなります。

自主的手法だけだと、強制力がないぶん、取り組まない事業者を動かせません。

そこで、複数の手法を組み合わせて弱点を補う考え方がベストミックスです。

たとえばVOC(揮発性有機化合物)の排出抑制では、大規模な排出源には排出規制(規制的手法)をかけ、中小の事業所には自主的取組(自主的手法)を促す、という組み合わせがとられています。

過去問での問われ方

公害総論では、手法そのものの名前より、その組み合わせが正しく述べられているかが問われます。

令和元年度 公害総論 問9では、VOCの排出抑制が「排出規制と事業者の自主的取組を適切に組み合わせて」行われている、という記述が正しい選択肢として出ました。規制的手法と自主的手法のベストミックスです。

令和5年度 公害総論 問8でも同じVOCの抑制制度が問われ、大規模排出源への法規制と中小事業者の自主的取組を組み合わせる枠組みが前提になっていました。

まちがえやすいポイント

つまずくのは手法の名前ではなく、どの例がどの手法かの振り分けです。

環境税・排出量取引・補助金は「経済的手法」であって、規制的手法ではありません。市場のしくみで誘導するのが経済的手法、法令で基準を直接決めるのが規制的手法です。

理解度チェック

Q.

環境税や排出量取引は、4つの手法のどれにあたるか。

経済的手法です。税やお金のしくみで得・損をつくり、市場を通じて自分から減らすよう誘導します。

Q.

PRTRや環境ラベル、環境報告書のように、情報の開示で行動を促す手法は何か。

情報的手法です。環境情報を開示・提供し、消費者や投資家の選択を通じて事業者を動かします。

Q.

排出基準のように法令で基準を直接決めて守らせる手法と、事業者が自ら目標を立てて取り組む手法は、それぞれ何か。

前者が規制的手法、後者が自主的手法です。VOC対策では、この2つを組み合わせたベストミックスがとられています。

まとめ

環境政策の手法は、規制的手法(法令で直接決める)・経済的手法(税やお金で誘導する)・自主的手法(事業者が自ら取り組む)・情報的手法(情報を開示して促す)の4つに分かれます。

環境負荷をどう動かして減らすかという違いで押さえれば、例の振り分けも、ベストミックスの問われ方にも対応できます。

公害総論の過去問解説 一覧へ

参考

  • 環境省 環境白書(環境政策の手法=規制的手法・経済的手法・自主的取組手法・情報的手法・手続的手法の定義と例)
  • 環境基本法(平成5年法律第91号)/EICネット 環境用語集(規制的手法・経済的手法・自主的取組手法・情報的手法)
  • 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験(公害総論 令和元年問9・令和5年問8)・公式正答
公害防止管理者 独学ノート 編集部

この記事を書いた人

公害防止管理者 独学ノート 編集部

公害防止管理者試験の用語・法令・計算を、環境省の告示や過去問に照らして、独学者の目線で整理しています。