令和4年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問6を解説|ふっ素化合物
令和4年度 大気有害物質特論 問6は、ふっ素化合物の性質と処理に関する正誤問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ふっ素を含む排ガスは水酸化ナトリウム水溶液で吸収し、ふっ化水素は弱い酸性で水に溶けやすく、装置には耐食性の材料を使う、といった基本が問われます。分かれ目は、四ふっ化けい素を含む排ガスをどんな塔で処理するかです。四ふっ化けい素は水と反応して二酸化けい素(シリカ)が析出するため、密に詰めた充塡物では固体がたまって閉塞します。密な充塡物の充塡塔を使うと書かれていたら、閉塞のリスクを見落としています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ふっ素を含む排ガスの吸収剤として水酸化ナトリウム水溶液が用いられるという正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ふっ化水素は解離定数が比較的小さく、その水溶液は弱い酸性を示すという正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ふっ化水素は水に溶けやすいため、水による吸収の速度はガス側境膜抵抗が支配するという正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 四ふっ化けい素の吸収では二酸化けい素が析出します。密な充塡物を用いた充塡塔は閉塞するため適さず、記述が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | ふっ化水素水溶液は腐食性が強いため、処理装置にステンレス鋼など耐食性の材料を用いるという正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
四ふっ化けい素は水と反応すると、加水分解して二酸化けい素(シリカ)という固体を析出します。充塡物を密に詰めた塔でこの排ガスを吸収させると、すき間に析出物がたまって閉塞(目詰まり)を起こすため、密な充塡物の充塡塔は適しません。実際には、固体が析出しても詰まりにくいスプレー塔などが用いられます。選択肢(4)は「密な充塡物を用いた充塡塔が使用される」とした点が誤りです。析出物が出る吸収では詰まりにくい方式を選ぶ、と押さえます。
覚え方
- 四ふっ化けい素の吸収は二酸化けい素が析出→密な充塡物は閉塞。
- ふっ素排ガスの吸収剤は水酸化ナトリウム。装置は耐食材(ステンレス鋼など)。
- ふっ化水素は水に溶けやすく弱酸性。吸収はガス側境膜抵抗が支配。
理解度チェック
Q.
四ふっ化けい素を含む排ガスに、密な充塡物の充塡塔が適さないのはなぜか?
吸収の過程で二酸化けい素が析出し、密な充塡物のすき間を詰まらせて閉塞するためです。詰まりにくいスプレー塔などが用いられます。
Q.
ふっ化水素の水への吸収を支配するのは、ガス側と液側どちらの境膜抵抗か?
ガス側境膜抵抗です。ふっ化水素は水に溶けやすいため、吸収速度を律しているのはガス側です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月