令和2年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問8を解説|ふっ素化合物の分析
令和2年度 大気有害物質特論 問8は、JIS のイオン電極法による排ガス中ふっ素化合物の分析方法に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
イオン電極法では、吸収液に水酸化ナトリウム溶液を使い、ふっ化ナトリウムで標準液を調製し、試料にイオン強度調整用緩衝液を加えてふっ化物イオン電極と参照電極で電位を測ります。分かれ目は、検量線をどの方眼紙で作成するかです。イオン電極の電位は溶液中のイオン濃度の対数に比例するため、検量線は電位を縦軸、濃度を対数目盛にした片対数方眼紙で直線になります。両対数方眼紙で作成すると書かれた記述は、電位と濃度の関係を取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 吸収液に水酸化ナトリウム溶液を用いる、という正しい記述です。ふっ素化合物を確実に吸収させます。 |
| (2) | ○(正しい) | 標準液の調製にふっ化ナトリウムを用いる、という正しい記述です。ふっ化物イオン濃度の基準になります。 |
| (3) | ○(正しい) | 濃度の極端に異なる2種類のイオン強度調整用緩衝液で妨害物質(Fe3+、Al3+)の影響を判定する、という正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 試料溶液にイオン強度調整用緩衝液を加え、ふっ化物イオン電極と参照電極を浸して電位を測定する、という正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 検量線を両対数方眼紙で作成するとした点が誤りです。電位は濃度の対数に比例するので、用いるのは片対数方眼紙です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
イオン電極で得られる電位は、溶液中のふっ化物イオン濃度の対数に比例して変化します(ネルンストの関係)。そのため、縦軸に電位、横軸に濃度を対数目盛でとる片対数方眼紙を使うと、検量線がきれいな直線になります。選択肢(5)は、この方眼紙を「両対数」としている点が誤りです。両対数方眼紙は縦横とも対数目盛で、両方の量が対数どうしで直線関係になる場合に使うもので、電位と濃度の関係には合いません。電位は対数に比例=片対数、と結びつけて押さえます。
覚え方
- イオン電極法の検量線=片対数方眼紙(電位は濃度の対数に比例)。
- 吸収液は水酸化ナトリウム溶液、標準液はふっ化ナトリウム。
- 妨害はFe3+・Al3+、緩衝液(イオン強度調整)で対処・判定。
理解度チェック
Q.
イオン電極法の検量線は、片対数方眼紙と両対数方眼紙のどちらで作成する?
片対数方眼紙です。電位が濃度の対数に比例して直線になるためです。
Q.
イオン電極法で標準液の調製に用いる試薬は?
ふっ化ナトリウムです。ふっ化物イオン濃度の基準として使います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月