令和2年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問2を解説|ふっ素の性質
令和2年度 大気有害物質特論 問2は、ふっ素の性質と発生に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ふっ素は常温で淡黄色の有毒な気体で、反応性が非常に高くほとんどの元素と直接反応します。水とも激しく反応し、排ガス中のふっ素を硫黄と反応させて回収する方法もあります。分かれ目は、蛍石(ふっ化カルシウム)を硫酸で分解したときに発生するのがふっ素そのものかどうかです。この分解で得られるのはふっ化水素であって、単体のふっ素ではありません。単体のふっ素は反応性が高すぎて化学的な酸化では得られず、電気分解でつくります。発生物を「ふっ素」としている記述は、ふっ化水素と取り違えています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 蛍石を硫酸で分解して発生するのをふっ素とした点が誤りです。実際に発生するのはふっ化水素です。 |
| (2) | ○(正しい) | ふっ素は常温で淡黄色の有毒な気体である、という正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | ふっ素は反応性が高く、ほとんどすべての元素と直接反応してふっ素化合物をつくる、という正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | ふっ素は水と激しく反応し、ふっ化水素やオゾン、過酸化水素などを生じる、という正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 排ガス中のふっ素を硫黄と反応させて回収する方法がある、という正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
蛍石はふっ化カルシウムを主成分とする鉱物で、これに硫酸を加えて加熱すると、硫酸カルシウムとふっ化水素ができます。工業的なふっ化水素の製法として重要な反応です。選択肢(1)は、この発生物を単体の「ふっ素」と取り違えている点が誤りです。単体のふっ素は酸化力が極めて強く、薬品による酸化ではつくれないため、実際にはふっ化水素などを原料に電気分解で製造します。蛍石+硫酸で出てくるのはふっ化水素、ふっ素そのものは電気分解、と切り分けて覚えます。
覚え方
- 蛍石+硫酸で発生=ふっ化水素(ふっ素そのものではない)。
- 単体のふっ素は反応性が高すぎて、つくるなら電気分解。
- ふっ素=淡黄色の有毒気体、ほぼ全元素と直接反応、水とも激しく反応。
理解度チェック
Q.
蛍石を硫酸で分解すると発生する気体は?
ふっ化水素です。単体のふっ素ではありません。
Q.
単体のふっ素はどのようにつくられる?
電気分解でつくられます。反応性が高すぎて薬品による酸化では得られないためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月