令和元年度 公害防止管理者 大気有害物質特論 問6を解説|ふっ素化合物の処理
令和元年度 大気有害物質特論 問6は、ふっ素・ふっ化水素・四ふっ化けい素の処理に関する正誤問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ふっ素やふっ化水素をアルカリ水溶液や水洗で除去すること、洗浄水を水酸化カルシウムで中和すること、四ふっ化けい素の処理で二酸化けい素の析出による閉塞に注意することなど、実際に使われる処理法が並びます。分かれ目は、ふっ化水素を硫黄と反応させて六ふっ化硫黄として回収する、という処理法が本当にあるかです。ふっ化水素は水によく溶けるので水洗吸収で除去し、洗浄水は水酸化カルシウムで中和して難溶性のふっ化カルシウムにするのが基本です。硫黄と反応させて六ふっ化硫黄で回収するという方法は、ふっ化水素の実際の処理法として成り立ちません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ふっ素の処理に水酸化カリウムや水酸化ナトリウムの水溶液が用いられるという正しい記述です。アルカリ水溶液で吸収します。 |
| (2) | ○(正しい) | ふっ化水素は水への溶解度が大きく、水洗吸収で除去できるという正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | ふっ化水素を硫黄と反応させて六ふっ化硫黄等として回収するとした点が誤りです。そのような処理・回収法は成り立たず、ふっ化水素は水洗吸収と中和で処理します。 |
| (4) | ○(正しい) | ふっ化水素を含む洗浄水を水酸化カルシウムで中和する処理法があるという正しい記述です。難溶性のふっ化カルシウムとして固定します。 |
| (5) | ○(正しい) | 四ふっ化けい素を含む排ガスの処理装置では、二酸化けい素の析出による閉塞を考慮する必要があるという正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ふっ化水素は水に非常によく溶けるため、まず水洗吸収で取り除き、生じた洗浄水は水酸化カルシウムで中和して、難溶性のふっ化カルシウムとして固定・除去するのが標準的な流れです。ここには硫黄との反応も、六ふっ化硫黄としての回収も出てきません。選択肢(3)は、実際には行われない「硫黄と反応させて六ふっ化硫黄として回収する」という処理法を持ち出した点が誤りです。ふっ化水素の処理=水洗吸収+水酸化カルシウム中和、という王道を押さえておけば、聞き慣れない反応が出てきたときに誤りだと気づけます。
覚え方
- ふっ化水素は水洗吸収+水酸化カルシウム中和で処理。硫黄は使わない。
- 中和で生じるふっ化カルシウムは難溶性で除去しやすい。
- 四ふっ化けい素の処理では二酸化けい素の析出による閉塞に注意。
理解度チェック
ふっ化水素を含む排ガス・洗浄水の標準的な処理法は?
水洗吸収で除去し、水酸化カルシウムで中和します。難溶性のふっ化カルシウムとして固定・除去します。硫黄との反応は用いません。
四ふっ化けい素を含む排ガスの処理装置で注意する点は?
二酸化けい素の析出による閉塞です。析出物が配管や装置を詰まらせるおそれがあるため考慮が必要です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大気有害物質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月