令和4年度 公害防止管理者 大気特論 問11を解説|排煙脱硝技術
令和4年度 大気特論 問11は、排煙脱硝技術に関する問題です。活性炭法・無触媒還元法・アンモニア接触還元法の記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
脱硝は、NOxを窒素(N2)まで還元して無害化するのが基本です。アンモニアを還元剤に使う点は共通で、触媒を使う接触還元法(低い温度で運転できる)と、触媒を使わない無触媒還元法(より高温が必要)を区別します。分かれ目は接触還元法で使う触媒の種類で、実際に広く使われるのは酸化チタンを担体とした酸化バナジウム系の触媒です。「よく用いられる触媒は酸化モリブデン」とする記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 活性炭はアンモニア存在下でNOxを還元する触媒として働きます。 |
| (2) | ○(正しい) | 活性炭法では同時脱硫・脱硝が可能です。 |
| (3) | ○(正しい) | 無触媒還元法はアンモニアなどを還元剤としてNOをN2へ還元します。 |
| (4) | ×(誤り) | 接触還元法でよく用いる触媒は酸化チタン担体の酸化バナジウム系で、酸化モリブデンではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 接触還元法は触媒を使うため、無触媒還元法より低い温度で運転できます。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
アンモニア接触還元法(選択触媒還元)で実用的に広く使われている触媒は、酸化チタン(TiO2)を担体とした酸化バナジウム(V2O5)系です。この触媒があるおかげで、無触媒還元法よりずっと低い温度でアンモニアがNOxをN2へ還元します。選択肢(4)はこの触媒を「酸化モリブデン」と入れ替えている点が誤りです。モリブデンは補助的に用いられることはあっても、主となる触媒として名前を挙げるのは適切ではありません。「接触還元法の主役はバナジウム・チタン系」と押さえておきます。
覚え方
- アンモニア接触還元法の触媒は酸化バナジウム・酸化チタン系(酸化モリブデンではない)。
- 触媒ありの接触還元法は無触媒還元法より低温で運転できる。
- 活性炭法は同時脱硫・脱硝が可能。
理解度チェック
Q.
アンモニア接触還元法でよく用いる触媒は?
酸化チタンを担体とした酸化バナジウム系の触媒です。酸化モリブデンとするのは誤りです。
Q.
接触還元法と無触媒還元法で運転温度はどう違う?
触媒を使う接触還元法の方が低い温度で運転できます。無触媒還元法はより高温が必要です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月