令和4年度 公害防止管理者 大気特論 問10を解説|エマルション燃料とNOx抑制
令和4年度 大気特論 問10は、エマルション燃料によるNOx抑制技術に関する問題です。製造方法や作用のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
エマルション燃料は、石油系燃料に水と少量の界面活性剤を混ぜたものです。燃焼時に燃料中の水が蒸発して熱を奪うため燃焼温度が下がり、高温で生じるサーマルNOxを抑えます。さらに水滴が急に蒸発してはじけることで噴霧が細かくなり、低い空気比でも燃やせます。分かれ目は、この技術が抑えるのはあくまでサーマルNOxであって、燃料中の窒素分から生じるフューエルNOxには大きな効果がない点です。「フューエルNOxの抑制効果が大きい」とする記述が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 石油系燃料に水と微量の界面活性剤を加え、混合攪拌して製造します。 |
| (2) | ○(正しい) | 水と燃料の混合比はおよそ2:8程度です。 |
| (3) | ○(正しい) | 水分の蒸発で燃焼温度が下がり、NOxが低減します。 |
| (4) | ○(正しい) | 水滴蒸発の体積膨張で噴霧が微粒化され、低空気比燃焼が可能になります。 |
| (5) | ×(誤り) | 抑えるのは温度低下によるサーマルNOxで、フューエルNOxへの効果は大きくありません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
エマルション燃料のNOx抑制は、水の蒸発で燃焼温度を下げることが本質です。NOxのうち高温ほど増えるのは空気中の窒素に由来するサーマルNOxなので、温度が下がればこれを抑えられます。一方、フューエルNOxは燃料自身に含まれる窒素分から生じるもので、燃焼温度を下げても大きくは減りません。選択肢(5)は、効果が及ぶ相手をサーマルNOxからフューエルNOxへすり替えている点が誤りです。「温度を下げて効くのはサーマルNOx」と結び付けて押さえます。
覚え方
- エマルション燃料は水の蒸発で燃焼温度を下げてサーマルNOxを抑える。
- フューエルNOx(燃料中N由来)への抑制効果は大きくない。
- 水滴のミクロ爆発で微粒化=低空気比燃焼が可能。
理解度チェック
エマルション燃料が主に抑えるのはサーマルNOxとフューエルNOxのどちら?
サーマルNOxです。水の蒸発で燃焼温度が下がるためで、フューエルNOxへの効果は大きくありません。
水滴の蒸発が噴霧に与える効果は?
急な体積膨張(ミクロ爆発)で噴霧が微粒化され、低空気比での燃焼が可能になります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月