令和3年度 公害防止管理者 大気特論 問8を解説|石灰スラリー吸収法(吸収塔酸化方式)
令和3年度 大気特論 問8は、排煙脱硫に用いる石灰スラリー吸収法のうち吸収塔酸化方式の特徴を問う問題です。5つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸収塔酸化方式は、SO2を吸収した液を別の槽へ送らず、吸収塔(塔内の液だめ)に空気を吹き込んでその場で酸化し、石こうを得る方式です。塔内で吸収と酸化をまとめて行うため設備が簡素で、電力費や薬剤面で有利になります。ここで引っかかるのが、反応槽への硫酸の添加という記述です。吸収塔酸化方式では硫酸を加える必要はなく、これを「必要」とするのが誤りになります。空気で酸化するのであって、硫酸で処理するわけではない点が分かれ目です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 冷却除じん塔を前段に置かない構成が可能で、設備を簡素にできます。 |
| (2) | ×(誤り) | 吸収塔酸化方式では硫酸の添加は不要です。空気を吹き込んで酸化します。 |
| (3) | ○(正しい) | 大気圧に近い条件で、吸収液中に空気の気泡を広く分散させて酸化します。 |
| (4) | ○(正しい) | 石灰石の過剰率を低く抑えても高い脱硫率が得られます。 |
| (5) | ○(正しい) | 別置き酸化方式に比べ、循環や送液が少なく電力費を低減できます。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
吸収塔酸化方式は、SO2を吸収した石灰スラリーに空気を吹き込んで塔内で酸化し、亜硫酸カルシウムを硫酸カルシウム(石こう)に変える方式です。酸化に使うのは空気であって、硫酸ではありません。選択肢(2)は「反応槽への硫酸の添加が必要」としていますが、この方式では硫酸を加える工程はなく、硫酸添加は不要です。空気による酸化と硫酸による処理を混同しないことが要点です。別置き酸化方式のように酸化を別の槽で行う場合でも、酸化の主役は空気です。
覚え方
- 吸収塔酸化方式=塔内に空気を吹き込んで酸化。硫酸は加えない。
- 吸収と酸化を塔内でまとめるため設備が簡素で、電力費を低減できる。
- 酸化の主役は「空気(酸素)」。硫酸で処理するわけではない。
理解度チェック
Q.
吸収塔酸化方式で亜硫酸カルシウムを石こうにするのは何による?
塔内に吹き込む空気(酸素)による酸化です。硫酸を添加して処理するわけではありません。
Q.
吸収塔酸化方式が別置き酸化方式より有利な点は?
吸収と酸化を塔内でまとめられるため設備が簡素で、送液などが少なく電力費を低減できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月