令和3年度 公害防止管理者 大気特論 問9を解説|排煙脱硫のpH管理
令和3年度 大気特論 問9は、石灰スラリー吸収法排煙脱硫装置の維持管理について、吸収液のpHと脱硫率・石こう純度の関係を述べた文のア〜ウに入る語句・数値の組合せを選ぶ穴埋め問題です。
この問題のポイント
吸収液のpHは脱硫率と石こう純度の両方に関わります。pHが低いと、化学平衡の関係で気液接触部の液に接する排ガス中のSO2分圧が高くなり、SO2が液に溶け込みにくくなって脱硫率が下がります。pHを高くすれば脱硫率は上がりますが、そのぶん吸収剤(石灰)が過剰になり、未反応の石灰が混ざって石こうの純度が下がります。そこで、脱硫率と石こう純度が両立する適切なpH(およそ6付近)に吸収剤供給量を調整します。ア=低く/イ=高く/ウ=6が一続きの筋になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)
空欄に入る正しい語句
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 低く | pHが低くなるとSO2が液に溶けにくく、排ガス中のSO2分圧が高くなって脱硫率が下がります。 |
| イ | 高く | pHを高くすると脱硫率は上がりますが、吸収剤が過剰になり石こう純度が下がります。 |
| ウ | 6 | 脱硫率と石こう純度が両立する適切なpH(およそ6付近)に吸収剤供給量を調整します。 |
ここが分かれ目
迷いやすいのは、脱硫率とpHの向きです。SO2は酸性ガスなので、液のpHが低い(酸性寄り)ほど溶け込みにくく、排ガス側に残るSO2分圧が高くなって脱硫率が下がります。逆にpHを高くすればSO2は吸収されやすく脱硫率が上がりますが、石灰を入れすぎることになり、未反応の石灰が石こうに混ざって純度が下がるという副作用が出ます。そのため実運用では脱硫率と石こう純度が折り合う適切なpH(およそ6付近)を狙って吸収剤の量を加減します。ア・イは反対語なので、「低い=脱硫率が下がる」という向きを取り違えないことが決め手です。
覚え方
- pHが低い=脱硫率が下がる(SO2が溶けにくい)。
- pHを高くすると脱硫率は上がるが、石灰過剰で石こう純度が下がる。
- 実運用は脱硫率と石こう純度が両立する適切なpH(およそ6付近)に調整。
理解度チェック
吸収液のpHが低くなると脱硫率はどうなる?
下がります。SO2が液に溶け込みにくくなり、排ガス中のSO2分圧が高くなるためです。
pHを高くしすぎると何が問題になる?
吸収剤(石灰)が過剰になり、未反応分が混ざって石こうの純度が下がります。そのため適切なpHに調整します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月