令和2年度 公害防止管理者 大気特論 問8を解説|水酸化マグネシウムスラリー吸収法
令和2年度 大気特論 問8は、排煙脱硫の一つ水酸化マグネシウムスラリー吸収法に関する問題です。設備費・スラリーの性質・スケーリング・放流などの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
マグネシウム系のスラリーでSO2を吸収する方式の特徴を押さえているかを問う問題です。分かれ目は反応後のスラリーの扱い。吸収塔から出たスラリーには反応でできた亜硫酸・硫酸のマグネシウム塩などが含まれ、そのまま水域に流せば水を汚してしまいます。実際には酸化などの処理を経てから扱う必要があり、「そのまま放流できる」という記述が引っかけの核心です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 石灰スラリー吸収法に比べ設備費は安価とされ、記述どおりです。 |
| (2) | ○(正しい) | スラリーは弱アルカリ性で毒性・腐食性もなく、取扱いが容易で正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 生成塩の溶解度が大きくスケーリングの心配が少ないため、正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 反応後のスラリーは処理が必要で、そのまま水域に放流することはできません。 |
| (5) | ○(正しい) | 吸収剤の原料に海水と炭酸カルシウムを用いる点は正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
この方式では、吸収液がSO2を取り込むことで亜硫酸マグネシウムや硫酸マグネシウムといった生成塩を含んだスラリーになります。これらを含んだまま水域へ流せば、水質を悪化させてしまいます。実際には酸化などの処理を経てから扱う必要があり、選択肢(4)の「取り出したスラリーをそのまま水域に放流できる」という記述は誤りです。SO2を集めたスラリーは、次の処理工程が前提だと押さえます。
この問題に関連する用語解説
覚え方
- マグネシウム系は生成塩の溶解度が大きくスケーリングしにくい
- 反応後スラリーは処理が前提=そのまま放流はしない
- 石灰スラリー法より設備費は安価
理解度チェック
Q.
反応後のスラリーをそのまま放流できないのはなぜ?
SO2を吸収してできた亜硫酸・硫酸のマグネシウム塩を含み、そのままでは水を汚すため、酸化などの処理が必要だからです。
Q.
この方式でスケーリングの心配が少ないのはなぜ?
生成する塩の溶解度が大きいため、装置の内面に固まって付きにくいからです。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月