令和6年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問17を解説|逆転層の特徴と成因
令和6年度 大気関係技術特論 問17は、逆転層の特徴とその成因に関する問題です。放射性・前線・移流性・沈降性などの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
逆転層は、上空にいくほど気温が高くなり大気が安定して拡散が抑えられる層で、汚染物質がたまりやすくなります。成因ごとに、放射冷却による放射性逆転、前線に伴う逆転、空気の移流による移流性逆転、高気圧の沈降に伴う沈降性逆転などがあります。分かれ目は「最も一般的に発生する逆転」の種類で、夜間の放射冷却による放射性逆転が最も広くみられるという点です。地形性逆転を最も一般的とする記述に注意します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 放射性逆転層の中は強い安定状態で、拡散速度は遅くなります。 |
| (2) | ○(正しい) | 前線により下層に寒気、上層に暖気がくると逆転層ができることがあります。 |
| (3) | ○(正しい) | 移流性逆転が形成される場合には、霧の発生を伴うことが多くなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 沈降性逆転は、高気圧下の空気の沈降によるもので、昼夜を問わず出現します。 |
| (5) | ×(誤り) | 多くの地域で最も一般的なのは地形性逆転ではなく、放射冷却による放射性逆転です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
選択肢(5)は、多くの地域で最も一般的に発生する逆転を地形性逆転としている点が誤りです。最も広くみられるのは、晴れた夜間の放射冷却で地表付近が冷やされてできる放射性逆転です。地形性逆転は、盆地など地形の影響を受ける限られた場所で起こるもので、「最も一般的」に当たるものではありません。頻度の高い逆転の種類を取り違えさせるのがこの問題のひっかけです。
覚え方
- 最も一般的な逆転=放射性逆転(夜間の放射冷却)。
- 移流性逆転=霧を伴いやすい。沈降性逆転=昼夜問わず出現。
- 逆転層は大気が安定し拡散が抑えられ、汚染物質がたまりやすい。
理解度チェック
Q.
多くの地域で最も一般的に発生する逆転はどれか?
夜間の放射冷却による放射性逆転です。地形性逆転は限られた場所で起こります。
Q.
霧の発生を伴うことが多い逆転はどれか?
移流性逆転です。空気の移流によって形成される際に霧を伴いやすくなります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月