令和6年度 公害防止管理者 大気関係技術特論 問16を解説|排ガス中の水分量測定
令和6年度 大気関係技術特論 問16は、ダスト濃度測定の際に行う排ガス中の水分量測定に関する問題です。測定方法や試料採取の記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
水分量測定は、吸湿管で水分を捕まえる方法と、計算から求める方法が定められています。測定の対象は気体である水蒸気なので、粒子を対象とするダスト濃度測定とは考え方が異なります。分かれ目はここで、ダスト濃度測定では粒子の慣性を避けるために等速吸引が要りますが、気体である水分の測定には等速吸引は必要ありません。「等速吸引により行う必要がある」とする記述に注意します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 各選択肢の判定 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | JIS には、吸湿管による方法と計算から求める方法が規定されています。 |
| (2) | ×(誤り) | 対象は気体の水蒸気なので、粒子と違い等速吸引で採取する必要はありません。 |
| (3) | ○(正しい) | 気体が対象のため、ダクト中心部に近い1点だけからの採取でも差し支えありません。 |
| (4) | ○(正しい) | 吸湿管では、吸湿される水分が100 mg~1 g となるよう吸引ガス量を設定します。 |
| (5) | ○(正しい) | シリカゲルは二酸化炭素も取り込みうるため、CO₂を含む排ガスでは吸湿剤として用いません。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
選択肢(2)は、水分量の試料ガス採取を等速吸引により行う必要があるとしている点が誤りです。等速吸引は、慣性をもつ粒子(ダスト)を偏りなく採取するための条件です。水分測定の対象は気体の水蒸気で、気体はノズルの吸引流速に関わらず一様に取り込まれるため、等速吸引にする必要はありません。粒子測定の条件を気体測定にそのまま持ち込ませるのがこの問題のひっかけです。
覚え方
- 等速吸引が要るのは粒子(ダスト)だけ。気体の水分は不要。
- 吸湿管の吸湿量の目安=100 mg~1 g。
- 水分測定は中心部1点でも可。CO₂を含む排ガスにシリカゲルは使わない。
理解度チェック
Q.
排ガス中の水分量測定で等速吸引が不要なのはなぜ?
測定の対象が気体の水蒸気で、慣性をもつ粒子ではないからです。
Q.
吸湿管を使う場合、吸湿される水分量はどの範囲を目安にする?
100 mg~1 g となるように吸引ガス量を設定します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 大気関係技術特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月