ピトー管と動圧とは(流速は動圧の平方根に比例)
ピトー管で測るのは流速じゃなくて「圧力」?動圧が2倍になったら流速も2倍?で迷いませんか。流速と動圧の関係(平方根)を整理します。
排ガス中のダスト濃度などを正しく求めるには、まず排ガスの流速を知る必要があります。その流速を測るのがピトー管です。
ここで求めた流速は、排ガスと同じ速さで吸い込んでダスト濃度を測る等速吸引でも基準になります。
ピトー管が測るのは「動圧」
ピトー管とは、流れに向けた管と、流れに平行な穴の圧力差から、動圧を測る測定器です。
動圧とは、流れの速さによって生じる圧力です。流れに正面から当たる圧力(全圧)から、流れに沿った圧力(静圧)を引いたものが動圧です(動圧=全圧−静圧)。流れが速いほど、動圧は大きくなります。
流速は動圧の「平方根」に比例
ここが大事なところです。流速と動圧は、単純な比例ではありません。
流速は、動圧の平方根に比例します。つまり、動圧が4倍になっても、流速は√4=2倍にしかなりません。動圧が9倍なら流速は3倍です。
そのため、ある動圧での流速がわかっていれば、別の動圧での流速は、次のように求められます(排ガスの密度が変わらないとき)。
流速 v₂ = v₁ × √(動圧₂ ÷ 動圧₁)
流速は動圧の平方根に比例。動圧が4倍になっても、流速は2倍にしかならない。
ばいじん・粉じん特論での問われ方
ピトー管は、ばいじん・粉じん特論で、動圧から流速を求める計算として問われます。
令和7年度のばいじん・粉じん特論(問14)では、動圧46Paのときの流速が9.4m/sと与えられ、別の点で動圧が60Paのときの流速を求める問題が出ました。流速は動圧の平方根に比例するので、9.4×√(60÷46)=約10.7m/sと求めます(動圧に単純比例させて計算しないよう注意)。
混同しやすい用語
動圧に比例 と 動圧の平方根に比例
流速が動圧にどう関係するかを、取り違えやすいところです。
流速は動圧そのものに比例するのではなく、動圧の平方根に比例します。動圧4倍なら流速2倍です。
「流速 ∝ √動圧」と覚えて、計算では平方根をとる、と押さえます。
理解度チェック
ピトー管が測るのは何か。流速とどう関係するか。
答え:動圧(全圧−静圧)を測る。流速は動圧の平方根に比例する
動圧が4倍になっても、流速は2倍にしかなりません。
動圧46Paで流速9.4m/sのとき、動圧60Paでの流速はおよそいくらか。
答え:約10.7m/s
v=9.4×√(60÷46)=9.4×√1.30≒10.7。動圧の平方根に比例させて求めます。
まとめ
ピトー管は、排ガスの流速を測る測定器です。
ピトー管が測るのは動圧(全圧−静圧)で、流速は動圧の平方根に比例します。別の動圧での流速は v₂=v₁×√(動圧₂÷動圧₁) で求めます。
「流速 ∝ √動圧」を、単純比例と取り違えないようにします。
参考
- 排ガス測定(ピトー管=動圧(全圧−静圧)を測定、流速は動圧の平方根に比例 v∝√動圧)
- 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・粉じん特論 出題範囲・公式正答(令和7年度 問14 ほか)
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
流速を、動圧に単純比例させて計算してしまうのが狙いです。
流速は動圧の平方根に比例します。動圧をそのまま掛けてはいけません。別の動圧での流速は v₂=v₁×√(動圧₂÷動圧₁) で求めます(動圧が4倍でも流速は2倍)。